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2003年01月号

シナリオ「日シナの理緒ちゃん」3

特集: 日シナの理緒ちゃん
筆者: ちた・まみむめ

1.

 薄暗い室内。天井から下がる2本の鎖に、理緒がいましめられていて、その脇に老人とロボットが立っている――

 老博士「シナリオ1級資格所持者を捕獲できたか。ご苦労だったな」
 ロボット「…………」
 理緒「何事?」

——-

2.

 老博士「私はロボット博士。マスタリング用のロボットを開発することにしてな。君はそのための研究材料と言うわけだ」
 理緒 「研究って、なに」

——-

3.

 老博士「とりあえず解剖するか」
 理緒 「ちょっと、待てー!」

——-

4.

 理緒 「私がシナリオ1級に合格したのは、60年の実績がある日シナのマスタリング講座のおかげなの」
 老博士「ほう?」

——-

5.

 理緒 「バインダー式で扱いやすいテキストと、実用新案のマスタリング練習機があるから、超一流の先生方の親切ていねいな指導が確実に身に付くわ」

——-

6.

 理緒 「1日20分の練習を続けていれば、シナリオ検定にも楽々合格。シナリオ1級の合格者の9割以上が、日シナの出身なのよ」

——-

7.

 理緒 「だからー、マスタリングを覚えさせたいなら、そこのロボットに、日シナのマスタリング講座を受けさせればいいと思うのー」
 老博士「一理あるが、どうにも迂遠な手段に思われるな」
 ロボット「…………」

——-

8.

 老博士「やっぱり解剖するか……」

 ロボットが老博士を、背後からの一撃で倒す。

 老博士「ぐわっ」

——-

9.

 ロボットに救助される理緒。

 老博士「主人の私を、裏切るのか」
 ロボット「理緒のほうが、マスターと呼ぶにふさわしい」


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