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2004年11月号

Review: World’s Largest Dungeon

特集: ダンジョンズ&ドラゴンズであれこれ
筆者: 死せる詩人

世界最大の迷宮

 2004年10月、Aldarec Entertainment Group(AEG)からd20 System対応のシナリオとして『World’s Largest Dungeon』が発売されました。世界最大の名を打つこのシナリオ、ちょっとゲーマの想像を超えた代物であります。
 僕もまだ、全てを読み切った訳ではありませんが、この感動を読者の皆さんにも味わってもらう為に、簡単な紹介をさせて頂こうと思います。

体積

 まずこの書籍を見て驚くのは、その体積です。敢えて「厚み」という言葉は使いません。体積、です。プレイヤーハンドブック(PHB)等と同じA4変形の判型ですが、厚さは凡そPHBの倍はあります。そして書籍とは別に、カラーマップが厚み1センチメートル分はあるでしょうか。全体の体積で言ったら広辞苑以上でしょう。

重量

 次に驚くのは、その重量です。公式サイトによれば、なんと5ポンド(2.25キログラム)。ゲーマのか細い腕1本では、とても支える事ができません。読むには書架を使うか、或いはトレーニングしてボブ・サップ程の膂力を手に入れる必要があるでしょう。膝に乗せて読んでいても、10分程で足が痺れてきます。

ページ数

 ページ数は840ページです。その95%は、ひたすらダンジョン内部の説明になっています。この本の謳い文句によれば、一生分ならぬ二生分遊べるシナリオという事になります。このダンジョン内の延べ部屋数は1000を超えます。僕の試算によると、月1のペースで遊んでいくと、全て攻略するまでに凡そ13年かかる事になります。
 またマップは1枚がA2サイズで、これが合計16枚あります。5ミリメートル平方がが5フィートスクウェアというサイズでマッピングされています。これらのマップは全てカラーです。

その他

 このシナリオでは、SRDに登場する全てのモンスタが出てくる事が一つの売りになっています。ゴブリンやコボルトはもちろん、全てのドラゴン、デーモン、デビルが登場するのです。
 また、こういった大きなダンジョンシナリオにありがちな「ダンジョン内の生態系は無視」という造りではなく、食物連鎖や勢力関係なども考慮されており、ダンジョンの存在理由もちゃんとあります。

総評

 前にも述べましたが、このシナリオを遊び尽すには僕の試算で13年必要となってます。つまる所、このシナリオを購入したDMは今後13年の間シナリオを作成する必要が無いのです。毎月々々ひたすらダンジョンに潜り、モンスタを殺し、宝を奪い、レベルアップする。楽しいダンジョンハック人生が、まさに今、あなたの目の前にあるのです。

 などと言うと「またまた冗談を、こんなシナリオ洒落で買う人はいても実際に遊ぶ人なんていないでしょ」と思われるかもしれませんが、僕は既にキャンペーンの準備を着々と始めているのです。なにせ100ドルもしたんですからね……。

オフィシャル・サイト

Alderac Entertainment Group — World’s Largest Dungeon

書誌情報

World’s Largest Dungeon 書誌情報


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