はじめてのいきなりGM体験記録
これは私こと いろは がGM経験が少ない時分(大昔)にいきなりGMに指名された時の記録です。
これを読んだGM初心者の方が、GMをやる勇気がもてたらいいなと思います。
序章:皆で集まるのこと
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私のお馴染みの仲間とD&Dをやるというので集まることになりました。集まる場所は友人宅。この時点ではGMは私以外の人ということになっていて、私には GMの用意など一切なかったのでした。
で、まあ、結局、GMが忙しくて来れなくなったわけですな。
ぶっちゃけると(笑)
そのときの私の心中:「どうないするねん」
1章:サイコロでGM決めるのこと
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で、せっかく集まったのでサイコロでGMを決めてゲームをやろうということになったのです。
そのときの私の心中:「まあ、7人いるし当たることはないよな」
そんな軽い気持ちでサイコロを振っていた私……。(ころころ)
……あたってしまいました(ガーン)
この時分の私はGM回数が両手の指で数えられる程度であり、当時の私に比べでGM経験豊富な仲間に対してGMをする勇気など持ち合わせているわけがなく、もう心中泣きそうでした。
<<<<<そのときの会話記録(回想)>>>>>
私 :「え? まじで?」
友人A :「まあ、しょうがないよ。ルールだし」
私 :「いやでも私のGM経験なんて10本の指で数えられる程度なんだけど……」
友人B :「まあ、練習だと思ってがんばってみなよ」
私 :「……うー(かなり渋っている)」
<<<<<回想終了>>>>>
そりゃー、もう渋りましたとも、実績もなければ自信もない。ペーペーな私にどうしろというのだ、という気持ちでいっぱいでした。
とはいえ、決まったものは仕方がないですし、周りの仲間は私のGM練習的な感じで付き合ってくれるというので胸をかりるつもりでGMを引き受けることにしたのでした。
そのときの私の心中:「えうー(T-T)」
2章:シナリオを作るのこと
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1時間ほど時間を貰ってシナリオを作成することにしました。
システムはD&D(電撃文庫版)と決まっていたのでどのシステムを使うかを悩む必要はありませんでした。
そのときの私の心中:「ぁぅぁぅ、あんぎゃぁー(よく分からない叫び声)」
GM初心者のころは皆そうだと思うのですが、とにかくネタが浮かびません。
のた打ち回る私。
5分経過(ごろごろごろ)
10分経過(ごろごろごろごろ)
15分経過(ごろごろごろごろごろ)
あせればあせるほどネタは浮かばないし時間も経過していきます。
そうやって、ごろごろしていると
友人A :「そんなにあせらなくてもいいよー。時間もないからシナリオしっかりと構成しなくてもいいし」
と声をかけてくれました。
本来気楽な私はその言葉で「んじゃまあ、適当でいいや」とばかりにモンスターブックをばらばらと流し読みしました。
5分後 シナリオ決定
10分後 ダンジョン決定
今までの苦労はなんだったんじゃろ? というくらい、あっさりとシナリオを決めてしまったのでした。
そのときの私の心中:「もうやるしかないじゃん?(なかば開き直り)」
3章:プレイヤーキャラクターを作ってもらうのこと
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7LVでPCを作ってもらうことにしました。3eやAD&Dみたいにキャラ作成に時間がかからないのが始めの頃のD&Dのよいところでしょう。
7LVと言うこともあって、順番にサイコロを振ってもらいランダムでマジックアイテムを各キャラに2個ずつ渡すことにしました。
これがなかなか盛況でプレイヤーたちは自分の引き当てたアイテムに「これいみね~~(笑)」「やりぃ~」「やったね魔剣!って、俺マジックユーザーだし~。アイテムを戦士と交換な」など、一喜一憂していました。
そのときの私の心中:「キャラメイキングもひと工夫でより一層楽しんでもらえるものなのだナァ」
そんなこんなでキャラメイキング終了です。
いよいよ、本番なのです。
4章:作りの甘いシナリオとアドリブのこと
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4章-1:ダンジョンまでの道のこと
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PCたちはパーティー組んでいるということでシナリオスタートです。
ついでに定番的にある国の首都の酒場でたむろって貰います。
お約束の場面です。
で、依頼を持ってきた村人を登場させます。
お約束です(笑)
<<<<<依頼のこと>>>>>
依頼内容も単純、依頼主は枯れた金鉱山の村の村人。村の鉱山から無数にモンスターが出てくるようになったというのです。
神官:「で、事件前後に不可解なことはあったか?」
村人:「はあ、化け物が出てくる前に賢者を名乗るかたがきましてな。うちの鉱山はもともとモンスターが徘徊するんですが、その原因を払ってやると申されまして鉱山に入っていきました。しかし、その直後から魔物が出てくるようになりました」
戦士:「それって、もろそいつが悪者じゃないの?」
まあ、そのあと報酬の話をしたりしたわけですが……なにせ実質作成時間5分のシナリオのこと。ほころびが出たりしたわけです。
<<<<<アドリブ(?)例1:事前の下調べのこと>>>>>
出発する前に村の伝承について聞かれました。考えているわけがありません。が、私が考えたシナリオからして伝承が残っていないはずがないのでアドリブです。
GM :「伝承ですか?うーん、おとぎ話風味のものならありますね」
魔法使い:「たとえば?」
GM :「(こまったな、考えてないよ)えーっと、この国の勇者の話とか。魔王の話とか。あと、詳しそうなものでその勇者がドラゴンと戦って勝ったとか。逆によいドラゴンが町を救ったとか。ですかね」
魔法使い:「ドラゴン?GMもう一度」
GM :「ドラゴンとかドラゴンとかドラゴンだ(笑)」
要はドラゴンが絡んでいるわけです(笑)
で、ラスボスなのです(笑)
もう、ばればれです(笑)
魔法使いのPL:「(シナリオの流れが)だいたい読めたナァ」
痛い一言です。
3秒間、固まる私。
まあ、5分間で考えればこんなものさ。と自分を慰めてセッションを続けます。
<<<<<アドリブ(?)例2:神官の増援のこと>>>>>
神官:「神殿に行って、増援要請します」
……モンスターが無数に出てくるのは大事件だと思われるし、首都の神殿なのだからそれなりに神官はいるでしょう。
断る理由もないので増援を許可することにしました。
ただし、高位の神官は多忙なので神殿から動けない。増援できるのは5Lv以下の人間だけということと、ダンジョンにはいるのはPCのみで神官たちは村の外でベースキャンプをはって、村の外に出そうなモンスターの退治に専念するという条件付です。
状況的に無理のない条件であったからなのかPLたちにはすんなり受け入れてもらえました。
神官ズの増援のおかげで道中の遭遇判定は
GM:「えー、1日目。モンスターが襲ってきました」
戦士:「おっしゃ!」
GM:「が、神官ズが怒涛の勢いで抹殺しました」
GM:「2日目、3日目、以下略」
一同:(笑)
というわけで、あっさりとダンジョンです。ベースキャンプには治療班がびっしりと完備されているので安心です。
そのときの私の心中:「PCたちの有利な状態になってるナァ……まあいいか楽しんでもらっているようだし」
4章-2:ランダムなダンジョンとなかなか起きないイベントのこと
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実際の話、5分でダンジョンなんか作れるわけがありません。というわけで 10パターンほどのダンジョンパズルをもちいて、サイコロで振りまくってダンジョンのピースを当てはめていきダンジョンを構築していくと言うどこかで聞いたようなシステムを導入したのでした。
モンスターもサイコロで振って、ページ数でモンスターブックをガバッと開いてそれが敵です。いきなり強い敵かと思ったら、その次はよわよわだったりとPLたちのサイコロを振る力にも気合が入っていました。
イベント発生もモンスター遭遇判定のある条件をクリアしたら起こるようにしていましたが、ここで私は一つ失敗を犯していました。
偶然に頼りすぎていてイベントがなかなか発生しなかったのです。
それでPLの一人がじれて、「まだ、ボスの所つかないの~?」と言い出してしまいました。たしかにそうです。延々とダンジョンを進んでいたら飽きも来るでしょう。 一定時間ダンジョンをこなしたらイベントが起きるという条件もつけておくべきだったと後で反省しました。
PLに注意されたので(とほほ(;-;))ざざっと適当に頭の中で条件を一気に緩和させて進んでもらうことにしました。
4章-3:事の真相と伏兵のごとく役に立ったマジックアイテムのこと
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<<<<<真相を語る老人のこと>>>>>
イベント発生です。
PCたちの前に半透明な老人がたっています。
エルフ:「……もしかして、あなたはここに来たという賢者さんですか?」
老人 :「いかにもそうじゃ」
事の真相を話し出す老人。
お約束です。
そのときの私の心中:「やっぱこれがGMの醍醐味だよね~」
老人の正体はゴールドドラゴンで、大きさは本人曰く自分よりでかいドラゴンがいて自分より小さいドラゴンがいるらしい。とどのつまりは中型のゴールドドラゴンなわけです。
彼が語ることには、もともとこの金鉱山にはモンスター召喚の陣が張ってあり、大昔に1度封印したがそろそろ再封印が必要なので封印しにやってきた。しかし、封印陣の一部を書き間違えて逆スペル(逆効果がでる呪文)になってしまった。ということであります。
そして、彼のドラゴンとしての体は今魔方陣に囚われてしまい、ゾンビ状態になって陣を守っているというのです。(なお、ドラゴンゾンビというモンスターはいますが今回は通常のドラゴンからデータを変えた自作でした)
<<<<<じつは持っていました休息用アイテムのこと>>>>>
さすがに今までの戦闘でマジックユーザーの魔法も尽きており、ドラゴンが相手ということもあって休息が必要でした。
とはいえ、敵は無尽蔵に出てくるので休めない。しかし、このまま突撃するとドラゴンブレスが怖い。
ここで老人曰く、老人 :「わしの残りの力を使えば、一時的にわしの体を束縛して、奴の力を
弱めることができる。もしくは残りの力を使ってモンスターが進入で
きない結界を作ることもできる」
GM :「要は束縛しないと1ラウンド目でブレスが100%の確率で発生して、
束縛すると発生確率がランダムになって且つ発生確率が低くなります。
しかし、束縛するためには力が必要なので結界は張れません。休むか、
ドラゴンの束縛かどちらかです」
PLたちはいろいろ相談をし始めました。
そのときの私の心中:「ふふふ、なやめぇ~なやめぇ~」
GMの楽しみの一つは自分が出した選択肢をどう選ぶか悩んで結論を出すPL を見ることでしょう。謎かけの出題者の気持ちです。
が、そんな私の心中をスカコーンと吹き飛ばす一言が発せられました。
エルフ:「あ、俺、マジックアイテムで持ち運びの家持ってる」
そうです。キャラメイキングのときに渡した2つのマジックアイテムです。
これは持ち運びが可能な家で中の人間には危害を加えることができないマジックアイテムなのです。
GM :「え? ……まじ?」
エルフ:「まじです」
GM :「えー、あ、うん。じゃ、君たちはゆっくりと休めました」
なんというか、すごく物悲しいような、キャラメイク時にあげたマジックアイテムが役に立ってうれしいような。なんともいえない気持ちでした。
4章-4:ラスボスのこと
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マジックアイテムのおかげで呪文も体力も充実なPCたち。
ラスボスであるゾンビ化したドラゴンとの距離や味方の配置などを再確認して、老人にドラゴンを止めてもらいます。
老人が体に触れ吸い込まれるように消えた瞬間にドラゴンは
「ゴォァァァァァァァァ」
と雄たけびを上げます。
このときの私の心中:「やっぱラスボス戦は盛り上げないとねー」
戦闘開始の合図です。1ラウンドは完全に行動を抑えられ、2ラウンドでもブレスを吐くことのできなかったドラゴンでしたが通常攻撃の威力も馬鹿にはできません。前半はそこそこに緊張感のある戦いができました。とはいえ、休みなし状態での戦闘を考えた戦闘バランスだったので次第にPC側有利で戦いが展開されるようになり、ドラゴンは倒れることになったのです。
最後に逆呪文になった封印陣の書き直しを行って完全に封印することができてめでたしめでたしで終了でした。
最終章:評価のこと
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セッション終了後に評価を聞きました。
そこそこに楽しかった。
まあまあ。
D&D的で良かった。
ぶっつけにしてはいいせんいっていたと思う
とまあ、そこそこな評価をいただきました。
やる前はそれはもうだめだーって感じでしたが実際やってみるとあっけないもので自分自身も楽しんでいたというのが私自身の感想でした。
案ずるより生むが安しです。
GM経験のない方も気楽にやると案外よい結果が生まれると思います。
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以上、はじめてのいきなりGM体験記録でした。
それでは
See you again!