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2003年03月号

ランダム・ダンジョンのススメ

特集: ダンジョンズ&ドラゴンズであれこれ
筆者: 死せる詩人

 D&D3Eは名前の如くダンジョンシナリオに向いたシステムです。必然的にダンジョン物をプレイする事が多くなり、DMは沢山のダンジョンを作らなければいけなくなります。D&D3Eには、DMのシナリオ(ダンジョン)作成を助けてくれる様々なルールがありますが、慣れない人にとってはダンジョンを丸々一つ作るのは大変なことです。

 嬉しいことに、海外に目を向ければD&D3Eに使える様々なツールがWeb上で提供されています。その中でも特に便利なのが今回紹介する「Random Dungeon Generator」です。

 D&D3Eにはランダムにダンジョンを作成する為のルール(3月に発売されるダンジョンマスターズガイドに載っています)があります。これを使えば、ダイ スを振っていくだけで簡単に作成することができるので、ダンジョンをメインにプレイするDMであれば、大変役に立ちます。
 既に皆さんもお気づきの通り、前述の「Random Dungeon Generator」は、そのルールのルーチンを使ってある程度のパラメータ(ダンジョンの広さ等)を入れるだけで、プログラムが自動的にダンジョンの形、そこにいるモンスタやNPC、トレジャーを作ってくれるというものです。英語のソフトですが、モンスタデータやトレジャーデータならば英語が苦手な人でもあまり苦労せずに読むことができると思います。

 Random Dungeon Generatorは、2種類用意されています。片方はCGIになっていてブラウザ上で使うことができるもので、もう一方はWindows用のアプリケーションになっています。

 Randam Dungeon Generator CGI
 Randam Dungeon Generator for Windows

 さて、ここでは便宜上CGI版を元に話を進めます。Windows版でもほぼ同じように操作できるので問題は無いでしょう。

 *

 基本的には、パラメータの入力欄から数値等を選んで[Generate Dungeon]をクリックすればすぐにマップ付きでダンジョンが作成されます。

 では、それぞれのパラメータがどのような事を表わしているのか簡単に説明します。

●Width、Height
 ダンジョンマップ全体の幅(Width)と高さ(Height)です。それぞれ極小(Fine)から巨大(Huge)の7段階あります。Medium×Mediumでも十分に大きいので、それ以上にはする必要はあまりありません。

●Sparseness
 ダンジョンマップの「まばらさ」です。とてもまばら(Very Sparse)から濃密(Dense)まで5段階あり、この値を小さくすると部屋と部屋の間に通路が多くなり、大きくすると部屋同士が隣り合うことが多くなります。

●Randomness
 ある通路がどれくらい曲がるか、の度合いです。0%から100%まで5%刻みに設定できて、この数値を大きくすると通路が曲がる回数が増えます。しかし通路の曲がる角度は90度で一定です。

●Deadends Removed
 通路に行き止まりが発生したときに、その行き止まりを別の通路とつなぐ確率です。0%から100%まで5%刻みで数値を設定できて、この数値を大きくすれば袋小路(Deadend)が減ります。

●Level
 ダンジョンのレベルです。1から20まであって、この値を大きくすると出てくるモンスタ、罠、財宝の量や強度が上昇します。原則的にパーティの平均レベル程度にすれば問題ありません。

●Room Count
 ダンジョン内の部屋の割合です。無し(None)から大量!(To Many!)まで5段階あります。当然この値を大きくすれば部屋の数が増えます。

●Room Width、Room Height
 個々の部屋の幅(Width)と高さ(Height)です。幅、高さそれぞれにBetween X and Y squaresという風にXとYの値を決められます。設定したXとYの値の間で生成される部屋の幅と高さが変動します。単位は5フィート・スクウェアです。

●Secret Doors、Concealed Doors
 ダンジョン内に生成される、Secret DoorとConcealed Doorの発生確率です。それぞれ0%から100%まで5%刻みで設定することができます。Secret Doorというのは、扉自体が壁などに擬装されていて見えなくなっている扉で、Concealed Doorというのは扉自体は普通のものだけれど何か別の物体(棚やゴミの山等)で扉が見えなくなっているもののことです。

●Grid Resolution
 [Generate Dungeon]を押し、表示されるマップのグリッドの大きさです。Small、Medium、Largeがあります。ディスプレイ上の見やすさを変更するためにあります。

●Random Seed
 CGI内でランダムに数値を発生させる関数に渡す引数です。Random Seed以外の値は同じでもRandom Seedを変えれば違うダンジョンが生成されます。0~9999999まで好きな整数を入れてかまいません。


 これらのパラメータを決定した後で[Generate Dungeon]を押せば、別ウィンドウが開き、生成されたダンジョンを見ることができます。
 一番上にマップが表示されそれぞれの部屋には数値が振られています。その下には部屋番号順に各部屋の説明(部屋にある物、宝、扉、モンスタ、罠等)があります。

 作成すべきダンジョンの方向性が決まっていれば、どのようにパラメータを設定すればよいかは簡単に決まります。例えば屋敷であれば、全体と各部屋の大きさを小さくし且つSparseness、Randamnessも低く設定した上でDeadends Removedを大きく設定すれば良いでしょう。あるいは巨大迷宮ならば、全体を大きくし部屋は少なく、SparsenessとDeadends Removedは大きく、Randomnessは小さくすればそれっぽいものができるはずです。
 どちらにせよ、Levelの値はパーティレベルよりも1~3は大きくしても大丈夫です。それくらいなら「全滅は」しませんから。


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