2004年04月号
印象に残っている依頼──猫を探せ
特集: 単発記事
筆者: アキト
印象に残っている依頼というのはいくつかあります。その一つが、サイバーパンクなシステムでのシナリオでした。とある巨大企業の支配者がペットとしていた猫が逃げ出してしまったので探してくれというものでした。
たしかこの猫というのが新開発の技術によって知性化された重要サンプルで、 敵対企業に奪われると莫大な損失に繋がってしまう、とかいう話だったかと思います。まぁ、どこにでも転がっている普通のシナリオですよね。
でも、「この猫は合成魚は食べない」という一点が非常に印象に残っているのです。庶民がどう足掻いても食べることができない、新鮮な秋刀魚を塩焼きにしてトラップを作ったときのPCたちの哀しみようは実に複雑なものがありました。
だって、企業から提供された「本物の炭」の一部をこっそり横流ししただけで装備が増強できちゃったぐらいですからねー。「本物の秋刀魚」に到ってはどれほどの価値があったものか……それがペットの餌なわけで。
セッション後の打ち上げに入った居酒屋では、貧富の差というもの、地球環境というものについて考えつつ、「さんまの塩焼き」を頼んだものです。あれは美味かったなぁ。
# 尚、現実の猫に秋刀魚の塩焼きなど塩分の濃いものを与えるのは、腎臓に深刻なダメージを与える原因となります。くれぐれもご注意を。