2004年05月号

ダンジョンマスタは週末セッションの夢を見るか?

特集: ダンジョンズ&ドラゴンズであれこれ
筆者: 死せる詩人

  今までにも何度か主張してきましたが僕は常々、DMは楽をするべきだ、と考えています。大抵の場合DMというのは、PLと比べ精神的にも肉体的にも、多くの負担を強いられているのです。にも関わらず、DMにはPLを楽しませる「義務」があると漠然と考えられていたり、或いはセッションが失敗に終わるとDMが悪いと考えられる事が多かったり、昨日カノジョに振られたのはDMの所為だと思われたり、妻に罵しられたりするのです。

 そんな不条理を許す僕ではありません。放っておくとPLはつけ上があるばかりです(特に妻は)。断固たる決意を持って、PLの協力を仰ぎ健全なキャンペーン運営を行なうようにしましょう。

会場を取得せよ

 セッションを行なう場合、どこか公民館のような施設を借りる事が多いのでは無いでしょうか。その場合、当然借りる為の申請をしたり、会場費の集計をしたりしなければいけません。こんな事をDMがしているのは、全く不自然なのです。とっとと他の人間にやらせるようにしましょう。注意点としては、場合によって一度に何か月分もの会場を予約する事もあるので、学生ではなくお金に余裕のある社会人に任せた方が良いでしょう。また妻に任せると、あなた自身の小遣いから会場費を支払う必要が無くなる可能性があり、良さそうな気がしますが、その分毎月の小遣いが減る(恐らく、これを口実に会場費以上の減額が行なわれる)ので決して妻に頼んではいけません。

 他方で、DMの自宅でプレイする場合、ここぞとばかりに掃除を手伝わせましょう。妻から頼まれた椅子の修理等もついでにやってもらうと楽です。

日程調整を行なえ

 サークルの例会等のように開催日時が一意に決定するならば良いのですが、多くの場合は参加者間で都合の良い日を選んでセッションを行なうのでは無いでしょうか。やってみば分かる事ですが、スケジュール調整というのは意外に手間です。こんな事をDMがしているようでは、シナリオもオチオチ作っていられません。来たるべき素晴しいシナリオの為にも、PLは自ら調整役を買って出ましょう。会場係とは逆に、手間は掛るけれど金は掛らない作業なので、こういった事柄は学生にお願いすると良いかもしれません。が、基本的には、固定電話、携帯電話、IPフォン、Eメール、携帯電話のEメール、アマチュア無線、手旗信号、飛脚、伝書鳩、糸電話、毒電波等の沢山の連絡手段を持っている人間がやる方が効果的です。

鞄持ち

 セッションに必要な道具の一つ一つは大した重さではありません。しかしこれがDMともなると、塵が積って山になってしまいます。ルールブック、サマリ、メタルミニチュア、フロアタイル、ダイス等々。重い荷物の所為で、セッション開始前にDMが疲弊していては、お話になりません。シナリオ本体とDMお気に入りの20が良く出る二十面体以外は、PLに持って来てもらうようにしましょう。
 もしDMしか持っていない物(例えばメタルミニチュア)があり、それが相当な重量の場合は車を持ったPLに迎えに来てもらう位してもバチは当たらないんじゃないでしょうか。

その他

 DMというのは大変な仕事です。余りにも大変な為つい意識が朦朧としてしまい無意識の内にお気に入りの世界最強の自作NPCを敵として出してしまいあれよあれよと言う間に戦闘を行ないPCを全滅させてしまいそうになる程です。こういった事態を防ぐ為にも、PLは積極的にDMに協力し、可能ならば毎月セッションの時に1万円貢ぎ、ゲイリィ・ガイギャックスのサイン付きルールブックを贈り、当日は昼飯に特上のうな重を奢ってあげた上、セッション後は肩を揉む、くらいの事はしましょう。DMがウキウキして次のセッション開催を夢見る程のセッティングを行なうのです。

 世の中の、無理矢理DMをやらされてしまったような気の小さい人にとって、こういった事をPLに注文するのは難しいかもしれません。それでも決然とした態度で、不退転の決意を持って望めば出来る筈です。
 僕は大変勇敢で恐れるものは何も無い立派な漢なので当然PLにビシッと直接言い渡してあります。ちゃんと、みんなにここのURI教えました。


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