手紙を使ったシナリオ導入
いつもいつも「冒険者の宿に依頼人がやってきて……」というシナリオ導入だと飽きてしまいがちだ。とはいっても、適当なシナリオ導入が思いつかない
……そんな貴方のために、手紙を使ったシナリオ導入として「自分宛でない手紙を受け取ったことから始まるシナリオ」を紹介してみよう。
シナリオ概要
このシナリオは以下のような特徴を持つ。
・冒頭でPCたちは自分宛でない手紙を受け取る
・手紙を奪おうとしている勢力が存在する
・手紙を受け取ったことでPCたちはその勢力に狙われる
・手紙を本来の宛先に届けようとすることで物語が進行する
シナリオの展開を安定させる小技
以下の三点をプレイヤーに直接伝えると後の展開が安定しやすい。
・手紙を然るべき人に渡せば十分な報酬が恩賞が期待できる
・敵勢力がPCたちを関係者として認識した可能性が高い
・敵勢力に手紙を売ろうとしても消される可能性がある
シナリオを複雑化する小技
GMが望むのであれば「本来の受取人」「奪取を企む勢力」の正体を完全に明かさない状態でシナリオを開始するという方法もある。
この場合、敵が何者で、味方が何者かがわからないという不利な状況から、襲撃を迎撃しながら情報を収集し、なんとか逆転していくというスリリングな展開が楽しめる。
上手くはまるとなかなかに痛快で良い。
実例1:託された手紙
悪漢 :「ちくしょう、覚えてやがれっ!!」
若者 :「…お願いだ。この手紙を殿下に……(がくり)」
……これは「悪漢に襲われてる若者を助けると、瀕死の深手を負った若者はPCたちに重要な手紙を託す」というパターン。
実例2:間違って届けられた手紙
配達役 :「(この店で指定された風体の人物は……あの人か)」
PCの一人 :「え!?」
工作員 :「(拳銃を突きつけながら)…その手紙を渡してもらおうか」
受取役 :「(あれ、指定の場所のはずなんだけどな……)」
……これは「くつろいでいるPCたちに誤って手紙が届けられ、謎の勢力に襲撃される」というパターン。
実例3:間違って出してしまった郵便物を途中で奪取せよ!
上司 :「困ったことに、あの手紙が敵側に郵送されてしまった」
上司 :「ターゲットが届いた郵便物に目を通すのは午後二時。それまでに会社中枢までもぐりこみ、手紙を奪回せよ」
……PCの立場を変更することで、「ミッション:インポッシブル」のようなパターンにするという手もある。