オンラインセッションの開催・参加の手順
ひと口にオンラインセッションといいましても、人の集めかたによって手順は異なります。今回は
・オンラインセッションサークルで遊ぶ
・単発で仲間を集めて遊ぶ
・内輪でオンラインでも遊ぶ
について簡単に解説してみました。
オンラインセッションサークルで遊ぶ
本号月刊TRPG.NET2003年10月号「オンラインセッション」特集の宣伝告知も少しありますように、多数のオンラインセッションのためのサイトがあります。特定のルールで舞台を用意して、キャラクターを作成して登録してもらい、そのPCを利用して出入り自由型のキャンペーンを行なっているところが多いようです。
正直なところ、TRPG.NETの管理者の私も、告知いただいたもの以外については、どれが生きていて、どれがうまく機能しているのかはサッパリつかめていません。それくらいたくさんあり、栄枯盛衰も激しいわけです。
良さそうなサークルを探す
Googleなどで、自分の遊んでみたいと思っているゲームタイトルと「チャット」「ネット」などのキーワードで絞り込んで、セッションサイトを探すのが手ごろでしょう。
また、TRPGFIND からも辿れるような登録型のリンク集や、チャット告知掲示板で探しても良いでしょう。
この方法ですと、自作ルールで遊んでいるようなサイトが引っかからないわけですが、ルールをオンラインで後悔することに問題がないこと、ルールやデータの作成に参与できること、デザイナーやその周辺が熱心にサポートやマスターをしてくれることが期待できることなどから、特に特定のゲームタイトルにこだわり がないのであれば、自作ルール系をチェックするのも良い手だと思います。
自分のプレイスタイルに合いそうか調べる
プレイ集団により、プレイスタイルや良しとされる行動は様々です。自分の趣味嗜好に合った集団を探すためには、セッションログやチャットログを読むことからはじめてみましょう。これらがまったく公開されていない場合には、その他の部分が気にいったか、友人の勧めか、他に遊びたいルールでのセッションサイトがないか、でもないとプレイスタイル不整合によるリスクが高いと思います。
わからないことがあれば質問する
説明が完備している良くできたサイトもありますが、セッションに熱心でうまく機能しているために案内文などは手抜きでほったらかしのサイトもあります。参加してみたくて、でもどうすれば良いのかわからない場合には、掲示板やプレーヤー用のチャットなどでどんど ん質問してみましょう。
これで反応が悪いようなら、丁寧に礼を言ったうえで別のところを探したほうがいいかもしれません。
キャラクターを作成し登録する
大規模なオンラインセッションサークルでは、基本的にまずキャラクターを作成して登録しておきます。そして、シナリオごとにパーティを組むなり事件に関るなりするわけです。持続的にプレイされつづけるサークルでの舞台設定が、巨大な出入り自由型のキャンペーンになるわけですね。
シナリオの傾向を先に見てキャラクターを作成するというのは、単発に向いたスタイルだと思います。
シナリオの告知に参加申請する
ソード・ワールドRPGのようにパーティ制のミッションクリア型のゲームであれば依頼が告知されることになります。 トーキョーN◎VAなどであれば推奨スタイルが告知されるようですね。
サークルによっては、チャットにいつも居れば、突発で人を集めてセッションが始まるというような場合もあります。このような場合にも、キャラクターが既に用意されていれば時間がかからなくて済むわけですね。
セッション
チャットなら指定のチャットルームに集まり、掲示板なら指定の掲示板かスレッドに書き込み、セッションを行ないます。
後始末
経験点や死亡や取得アイテムその他の処理を済ませて、キャラクターシートを更新するのが普通ですね。それが終われば、次のセッションを待つか、あなた自身がゲームマスターをしてみることになります。
単発で仲間を集めて遊ぶ
掲示板やチャットで、あるいは告知サイトで、参加者を募集してセッションを行なうのは、成立する率は高いとはいえないものの結構あるようです。TRPGとは関係のないサイトで、TRPGを遊んでみないかと掲示板や日記で告知して、実際に遊ぶというのも見かけます。
今回は案内文をいただけたところはありませんが、単発でいろいろなゲームで遊ぶ場として、そういう単発セッションに関心のあるプレーヤーを沢山プールする場として機能しているオンラインサークルもあるようです。
ゲームを選んでシナリオ(傾向だけでも)を考える
単発で遊ぶということは、特定のルールや特定のジャンル、特定のシナリオなどで遊びたいなどの方向性が決まっていることも多いと思います。そういう方向性があれば、シナリオの詳細作成もキャラクターの作成も容易です。
もしゲームタイトルやシナリオの概要が決まっていないのであれば、告知する前に決めておきましょう。何をどう遊ぶのかすら決まっていない告知に反応があるとすれば、それはよほどTRPGを遊びたい、かつ親しい友人くらいではないかと思います。
この時点で、シナリオの概要としては、舞台やゲーム上のゴール、シナリオ参加へのPCの動機づけ、必要なスキル・職業・スタイルなどを明確にしておくと良いでしょう。
参加者を募る
日時と使用するルール、どんな風に遊びたいかなどを明記して告知しましょう。単発のセッションでは、繰り返し遊んでいるオンラインセッションサークルよりもプレイスタイルや雰囲気がつかみにくくリスクが高いので、できるだけ発端からシナリオの方向性や前提、勝利条件などを明確に書いておくべきでしょう。
自分のサイト、もしくは常連になっている掲示板などで告知するのが、良くある手ですね。親しい仲間を相手にしたほうが反応が良いのは、なにごとにも言えることです。
TRPG.NETのチャット告知掲示板で広く告知するという手もありますが、どの程度の反響があるのかは不明です。告知した人が報告してくださる事例がほぼ皆無なので。
キャラクターを作ってもらう
指定したレギュレーションでキャラクターを作成してもらいます。加減やスタイルを把握していない相手なら、なおさら慎重にチェックしましょう。シナリオの前提条件を覆すような運用が予想されるキャラクターには、厳しく赤を入れるべきです。
セッション
チャットなら指定のチャットルームに集まり、掲示板なら指定の掲示板かスレッドに書き込み、セッションを行ないます。
後始末
単発なので経験点などは自己満足的になることもありますが、きちんとやっておくと報酬としての気分が違います。
電子媒体ではセッションの記録をとりやすいので、リプレイを作成して渡すと喜ばれるかも知れません。オンラインセッションを利用したリプレイ作成講座「リプレイへの道」を、ご参照ください。
そしてサークルへ
単発で遊んで面白かったら、続けて同じキャラクターで遊びたくもなるものです。こういう単発のセッションから派生したオンラインサークルは、最初からコアメンバーなしに広く集めるよりも成功しやすい傾向があると思います。楽しくやりましょう。
内輪でオンラインでも遊ぶ
オンラインセッションは、コンベンション的に不特定多数と遊ぶ必要はまったくありません。進学や就職などで集まって遊ぶ機会が作りにくくなった内輪のプレイメンバー。それを繋ぎ、遊びつづけるための道具として利用する解き、最も強力な道具であると思います。
セッションフィールドを用意する(チャットや掲示板)
自分の個人サイトがあればそこでいいでしょうね。特に参加案内などは不要で、要するに連絡が取れる方法と、セッションを行なう場があればいいわけです。電子メールだけでもなんとかなります。
チャットについては、TRPG.NETのIRCサーバに、セッションと連絡用のチャンネルを開設するというのも便利です。存在しないチャンネル名のチャンネルに参加すると、自動的にチャンネルが新設されます。チャンネルの最初には半角の # をつけてください。
接続環境を用意する
昔はオンラインセッションするために不要になったパソコンを貸してインターネットアクセスプロバイダと契約させて、セットアップしてという事例もありました。しかし、いまでは、たいていはアクセス環境くらいはあることが多いと思います。
それでも、IRCのような専用のチャットソフトを利用する場合には、インストールの方法などを伝えるか、実際に遊びにいった時にインストールしてあげる必要があるでしょう。
ルールを選ぶ
ふだん遊んでいたルールのうち、オンラインで時間や手間がかかりにくいものを選ぶというのが、悩まず手軽な手だと思います。
むろん、オンライン専用のルールを探してきたり、新しいルールをみんなで買って読み込みつつオンラインで遊んでみるのも良いでしょうね。
キャラクターを作成して配布する
レギュレーションがしっかりしていなくても、内輪ならなんとかなるでしょう。キャラクターデータを作成して、全員で共有できるようにしておいてください。個人サイトに掲載するのもよし、ゲームマスターかコーラーが集めてメールで配布するのもよし、といったところでしょうか。
日時を決める
ゲームマスターが都合のよい日をいくつか上げ、他の仲間に尋ねてプレイの日程を決定します。続き物であれば、あるいは長めのシナリオを分割して遊ぶのであれば、予備日を含めて決定しておくといいでしょう。
セッション
チャットなら指定のチャットルームに集まり、掲示板なら指定の掲示板かスレッドに書き込み、セッションを行ないます。
サイトのコンテンツにしよう
セッションが終了すれば、キャラクターデータやシナリオ、そしてプレイ記録など、色々とデータも溜まっているはずです。それを元にして自分のサイトのコンテンツを作成してしまうというのも良い手です。