2002年12月号

初心者のGURPS原書奮闘記

特集: 単発記事
筆者: Kyrie

初めて原書に手を出したときのこと。
 今から三ヶ月ほど前。私がTRPGという遊びの存在を知ってから、三年が経とうとしていました。
 そんなある日、イベント帰りに寄った店で原書を発見。そのまま勢いでGURPS Grimoireを購入。寂しい財布にはかなり痛い出費でしたが、しかしそれだけの価値はあった気がします。
 何しろ初原書です。英語です。きれいに全部英語です。未知の言葉が沢山詰まっています。あまりの怪しさに、店を出たところからどドキドキものでした。バスに乗っても全く心拍数が変わらなかったぐらい。
 然し、帰りに読みこもうとはするものの、当時は脳と体が重度の英語アレルギーを起こし、瞬間で断念。われながら、なんて情けないのかと悲しくなってきます。原書の厳しさを初めて感じた一瞬でした。
 その後、辞書を片手に必死に和訳を試みるものの一身上の事情などもあり、全くはかどらずじまいになってしまい、最近和訳を再開したばかりです。然し、読み進めるにつれ、どんどん手が離せなくなってくる辺りが、面白いところです。今ではもう、毎日の日課になってしまっています。


 さて、私の持っている(数少ない)各原書ごとの紹介と感想を簡単に。

・GURPS Grimoire
 呪文が沢山載っています。危ないのから、とんでもなく危ないのまで、その数は軽く400を超えます。載せられている呪文は、どれもこれも強力だったり、ユニークなものだったりで、Magicとは違った面白さがあります。
 まだ全然訳し終えては居ませんが、少し見るだけでもMagicとの力の差が明らかに。とにかく、イロイロと面白そうな(扱いにくそうな)呪文が大量に載せられていました。
 呪文だけではなく、氷や酸の精霊系、それにTechnological-college(科学技術系?)など、いくつかの新系統が追加されています。個人的にGate-college
(時空間・門系)に激燃え。タイムトラベルまで可能です。
 それにしても。首がちょん切れる呪文って、一体何なのでしょう(^^;

・GURPS Ultra-tech
 未来の世界についてのサプリメントです。1と2があります。
 とにもかくにも、Disintegraterの防護点百分の一が目を引きます。他の武器や防具なども、文明レベルが上がるごとに物凄い勢いで危なさを増していくので、非常に面白く読むことができます(笑)。
 兵器だけでなく、医療やコンピューター、それに輸送手段まで細かく設定されているのは流石。 未来世界でGURPSをプレイする人なら、確実に手元に置いておきたい一品です。
 他にも怪しいマシンが盛りだくさん。中には時間を操作しちゃう素敵なものまで登場します。

・GURPS Bio-Tech
 読んで字のごとく、生命工学関連の道具やルールがたっぷり詰まっています。未来もの向け。
 それはもう、気持ちがいいぐらいに体を改造しまくりで、もはや原形をとどめていないものも多数見受けられます。超人的な能力が、割とあっさり手に入ってしまう世界です。
 他にも、医療や細菌兵器などにも触れられています。現在のものであっても十分に恐ろしいのに、未来の細菌兵器はどうなるのか。ご自身の目でお確かめください。

・GURPS Compendium
 名前を見ただけでは私には何が何やらさっぱりなのですが、とっても重要な二冊です。つまり1と2があります。
 GURPS Basicなどと共に「コアルール」と呼ばれ、これが無いと、他の原書を使っていく中で不都合が生じるらしいのです。実際、私が和訳していた際にそういう場面が。
 他のサプリメント買う前に、これを手に入れて目を通しておくと良いかもしれません。単体でも十分に楽しめる&役に立つ一品ですので、決して損はしないはずです。
 中身は、Basicの拡張のようなものになっており、技能や特徴が大幅に追加されるほか、様々な追加ルールがぎっしりと記載されています。百鬼夜翔(妖魔夜行)の妖力なんかは、ここから沢山持ってきているみたいです。
 ある意味で、GURPSの根幹部分に触れることのできるものかもしれません。

 以上の六冊が、今現在手元にある主な原書です。
 まだまだ少ないのですが、これから徐々に増やしていく予定です。


 ところで、何故原書を手元に置いておくのか。
 勿論日本語版だけでも、そしてBasicだけでも、十分に面白くプレイすることは可能です。実際やっています。
 然し、原書を使うことでいくつか良いことがあるとも、思います。

その1。
 何よりもまず、日本語版だけでは手に入らない情報が大量に入手できる、ということです。自分で新しくデータを作り上げることもできると思いますし(実際、私も一回試みました)、そうしている人もいらっしゃるかもしれませんが、然し原書の中のデータを参考にした方が、手間が省けます。

その2。
 原書に限ったことではないのですが、共有するサプリメントが増えると、GM どうしの情報交換がしやすくなります。同じ言葉を使って話すようなもので、相手のオリジナル設定を逐一完全に把握してから話し合うよりも、ある程度共通の土台を設けて、その上で話した方がやりやすいはずです。

その3。
 GURPSのサプリメントは、単純に読み物としても面白いのです。
 小説や漫画などとはまた違った、奇妙な面白さがあります。


 この三つが、私が原書を手に入れようとする大きな理由です。特に、世界構築のとき「その1」は重要です。

 一方で、原書を使っていく、訳していく中で思い知らされたこともいくつかあります。

その1。
 学校の英語の授業は、物凄く大切です。
 単に私が不勉強だっただけですが、本当に辛いです。まさか、ずうっと前に使った基本文法書を引っ張り出す羽目になるとは、夢にも思いませんでした。英語がそれなりに読めないと、(特に細かい記述の部分で)苦労することになります。ある程度の英語の知識と英和辞書、それに高校で使われる程度の文法書、この三つは私には欠かせません。

その2。
 原書は、かなりデリケートみたいです。すぐに曲がってしまうし、紙自体もそれほど丈夫ではなさそう。きちんと保管・管理してあげないと、すぐにボロボロのズタズタになってしまいそうで結構怖いです。
 決して安い買い物ではないので、取り扱いには、細心の注意を払いましょう。

その3。
 滅茶苦茶に目が疲れます。英語は字がちっさい上に、普段見慣れていませんので。すこし暗いところで作業をしようものなら、あっというまに目がしょぼしょぼになります。私の目も弱いのでしょうけども、それでもかなり目に負担がかかっていると思います。
 皆さん、TRPGに限らずに、どうか視力にはご注意を!


 以上の三つは、原書を扱っていく上で私が体験した失敗をもとにしています。
 一つでもはまってしまうと、かなり苦労するので注意が必要です(^^;


 うまく纏めることができませんが、基本的に原書はどんどん利用していくべきだと思っています。但し、失敗を繰り返さないように、きちんと注意を払って利用することを忘れないようにもすべきです。
 正しく使っていれば、きっと素晴らしい体験をもたらしてくれることでしょう。




■GURPS情報倉庫
http://www.trpg.net/rule/GURPS/


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