2003年09月号

戦闘中の意思疎通

特集: ダンジョンズ&ドラゴンズであれこれ
筆者: 死せる詩人

 D&D3Eにおいて、戦闘はラウンドという単位で区切られています。1ラウンドは6秒で、また1ラウンドは幾つかのイニシアチブ値に分割されま す。3Eのルールでは、キャラクタ戦闘中に何か一言喋る(例えば「敵だ!」「逃げろ」など)ならば、それはFree Actionで行なえ、文章を成すような言葉(例えば「9時の方向から敵接近、全員警戒態勢を取れ」など)の場合Standard Actionを消費すると定義されています。

 ルールに忠実に戦闘を行なってみると、素早く的確な意思疎通が如何に重要かという事が理解できるでしょう。

意思疎通の困難

 では、先ほど提示したルールを杓子定規に適用し戦闘を行なってみましょう。きっと以下の様な光景が展開されることは間違いありません。

  • 前線で戦っているキャラクタのhpがかなり危険な状態になっているが、攻撃の手を休め(行動を消費してまで)「俺のhpを回復してくれ」と言うことができないので、死んでしまう。
  • 敵の弱点や特徴を知っているキャラクタが、それを全員に知らせるまでに時間が掛かり、最初の数ラウンドを無為に過ごす。
  • 透明化状態で昏倒したキャラクタが何処にいるか分からない。
  • 後方にいるアーチャーやウィザードなどの為に、射線(Line of Sight)を確保することができない。

 概ね、互いの連携が上手くいっていない状態です。

円滑な意思疎通

 ではこの様な状況で、戦闘中に円滑な意思疎通をする為にはどうすれば良いでしょうか。

 最も簡単な解答は、戦闘時の行動を有る程度マニュアル化してしまうことです。戦闘が長くなってくるとマニュアルに乗っ取って行動していくことは困難ですが、最初の数ラウンドについて言えば、有る程度は可能です。

 例えば、

  • 前線で戦う人間は常に後衛からの射線を確保するように動く。
  • 回復役は前衛まで、1ラウンドで接近&呪文投射ができる位置に移動する。
  • 透明化したキャラクタがいる場合は、誰かが透明を見通せるようにする。
  • 敵の防御能力が分からない場合、汎用的な(炎や氷などの属性が無い)攻撃方法を選択する。

 杓子定規なルール適用は、少し厳しすぎると感じるかもしれませんが、それはそれで緊張感のあるエキサイティングな戦闘を生み出す要因にもなります。

更なる困難を求めて

 上記の例の様に、厳しいジャッジをすることで戦闘はよりエキサイティングになります。これを更に強めるならば「キャラクタの行動宣言は、実時間で6秒以内にプレイヤが行なわなければいけない」とするのも良いでしょう。各キャラクタの順番が回ってくるや否やマスタが指折り6秒を数え上げ、それが終了するまでに行動宣言をしなければいけない、とするのです。

 これは非常に厳しい方式なので、D&D3Eのルールを熟知した人達でなければ、実際的に運用するのは難しいでしょう。しかしながら、全員がルールに熟知した人達ならば、これほど緊張感のある戦闘は無いという位にピリピリした戦いをする事ができるようになります。当然、プレイヤ同士の意思疎通もより難しくなります。全てのプレイヤが機を見るに敏である事が求められ、且つ自分のキャラクタの能力を完全に把握していなければいけません。

 この状態ではある意味、プレイヤとキャラクタの意思疎通が難しくなっているとも考えられます。

 一見辛いだけの方法に見えるかもしれませんが、この「宣言は6秒以内」ルールを適用することによって得られるメリットも有ります。このルールであれば、嫌がおうにもプレイヤは戦闘に集中しますし、他のプレイヤが行動宣言している間に自分の行動を逐次考えていくという訓練にもなります、またキャラクタの能力を十全に発揮するためにルールに詳しくもなるでしょう。そして何より、長くなりがちな戦闘時間が極めて短くなります。

最後に

 今回紹介した2つのやり方は、ゲームに於けるメタな部分を取り扱っています。故に、導入には多少違和感があるかもしれません。しかし、戦闘こそがD&Dの華だと認識している人達ならば、このやり方を取り入れる事でより楽しい戦闘をする事ができるようになるでしょう。


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