10年を突破して今も元気なオンラインセッション環境“語り部”
独自のゲームシステムを利用して、架空世界であれこれ遊ぶ。その遊びかたのひとつとして、オンラインセッションとその周辺もある。というのが語り部です。
“語り部”命名とネットワーク公開より10周年
2003-09-17に、“語り部”命名とネットワーク(パソコン通信)での公開より10周年となりました。
活動には波はありましたが、現在は絶好調。一日に公開チャットログが1500から4000発言、セッションやミニイベントが昼間も含めて多数走るといった活況を呈しております。
TRPG汎用の話題やデザイン論なんかも含めて、いろいろと盛りあがっております。どの程度かは、語り部メーリングリストと掲示板の新着やIRC(チャット)最新ヘッドラインなどをご覧頂ければ一端を伺って頂けるかと思います。
語り部ってなーに
現状の語り部は「TRPGと創作で架空世界を遊ぶ」環境であると定義されています。全人格的な交友関係を結び、あれこれと常日ごろからいろいろな話をしている人間同士で、架空世界で遊ぶ場であります。
とりあえず数値に翻訳することでの共有言語としてのキャラクター表現と対立処理に、それぞれの考えをのせていく(ゲームルールとしての語り部)。そして「全人格的なコミュニティ」のなかで遊ぶ(コミュニティとしての語り部)。この二本が核となっています。
ゲームルールとしての語り部(共有の言語)
もともと「語り部」とは汎用のTRPGとして発表されたものです。どうせ細かい描写なんかは参加者の知識を援用したがるものなんだし、遊んでるうちにキャラクターのイメージを固めていくには最初からデータを割り振りで組み立てるのは不都合であるなどの考えから。割り切った判定システムとキャラクター作成システムを有しています。
語り部ルール案内
ルールデータを用いて数字や組み合わせを遊ぶのには不向きですが、知識や経験やイメージをルールにのせて遊ぶのには便利な道具、といったところです。原作もの軽く遊ぶとか、自作の世界でのんびり遊ぶとかには向いてるんでないかと思います。
韓国語訳も含めて、伝聞などでわかるかぎりでは百名以上のマスター経験者と数百名のプレイ経験者が居るようです。
コミュニティとしての語り部(全人格的交友)
語り部はもともと、パソコン通信の草の根BBSで育まれました。草の根BBSとは個人がホストマシンを設置して、パソコン通信サービスを提供するというものです。パスワードつきの会員管理、掲示板とアップローダ、チャットとミニゲームなどがセットで提供されるのが普通でした。現在の高機能と称するコミュニティシステムにも比肩し、もちろん単なるWeb掲示板などよりはずっと優れたシステムでした。
そして当時は電話代が高かったこともあり、草の根BBSは市外局番の同じあるいは近隣の、すぐに顔を突き合わせて遊べる程度の近くの人間が集まる場でもありました。そして草の根BBSでは、多数のテーマ別の掲示板が用意され、 地域のマニアがあれこれと記事を書きまくる場となっていたのです。
このような場では、趣味も嗜好もよくわかっている顔見知りが、ネットワー ク上でも知りあい遊ぶことになります。必然的に、特定の目的のためだけに集まって、それ以外は没交渉というWebで良くあるコミュニティではなく、全人格的な交流を行なう比率が高かったわけです。
そして現状の環境としての語り部も、それを踏襲しています。そういう日常的なやりとりがあった上で、それぞれの専門知識や知り得たことを駆使して遊ぶ。それが語り部なのです。
語り部と語り部日報の関係
語り部日報は元来は、TRPGとしての語り部のサポート記事や活動報告を掲載するために創刊されたニュースメールでした。当時は、いくつかのパソコン通信やインターネットと、コミュニティが分散していましたので、それを横断して情報をやり取りしようと考えたわけです。
しかし、のちにTRPG.NETとして結実する汎用の活動などのほうが人を集めたことなどもあり、語り部の宣伝も兼ねつつTRPG記事を掲載するという、現状の方向が固まったわけですね。
語り部の現況
他にも色々と動いている企画もありますし、やる気のある人が居れば、いろいろとすぐに動けますけどね。
学園退魔チャットRPG 西生駒高校2003
架空の公立進学校を舞台にして、変な力をもった面々が、怪異を解決し平穏な日常を取り戻すべくあれこれ苦労するようなのを遊んでいます。
長時間のが週末、短い突発もあり。チャットセッションメインで、キャラチャもありというところです。
学生が依頼があったり巻き込まれたりで退魔したり。ネタとしてはスタンダードなオカルトものや霊異譚を遊んでいることが多いかなと思います。
関連IRCチャンネル:
#西生駒
#HA06-01
#HA06-02
ほのぼの怪異なPBW 狭間06
狭間06資料
不思議な力を持った人々やもののけたちが、のんびりめに愉快な日常や奇妙な非日常を過ごすというものです。エブリディファンタジーですね。
現状としてはキャラクターチャットがメインでしょうか。イベントやミッション的なものも遊びますけどね。
関連IRCチャンネル:
#HA06
#HA06-01
#HA06-02
異常学園ものPBC 無限都市コルチキンタワーダイビング
PCは奇妙キテレツな「こだわり」の力をもってしまった面々。舞台は、無限に広がる「現代地球のガジェットが異常な組み合わせで出現する」世界。
一時間未満での単発のセッションのようなものも容易に遊べます。キャラクターなしでもスタートできますし、お試しにはもってこいかと思われます。
関連IRCチャンネル:
#IC
語り部の今後
あと10年古びない新しさを投入しよう計画。
10年後も遊び続けやすい環境を
10年前には革新的であったあれこれも古びてしまっているわけでして、やはり新しい遊び方と新しい楽しみ、そのための新しいルールやツールを、とは考 えています。
その方針の一つは「今後10年遊べるようにする」こと。
40歳を越えて家庭を持ち仕事も忙しい人が、でもわずかな時間で、自分の知識と経験を活かしつつ遊びつづけることができるような仕掛けを、用意して行きたいと思います。
無限都市で試みているような「なじみのキャラらクターで短時間でのイベントでワイワイと遊ぶような発想遊び」的なものなんかも、その試みの一つだと言えるでしょう。
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/26600/26685.html
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/26700/26715.html
IRCミニセッション用ランダムイベントジェネレータ作成
が解説と経緯。
マイクロセッション『金箔押しの絵筆セット』や 金箔番長、鋼鉄忍者に追われるの巻などが実例です。
最近の物は当日の #IC ログなどから読めます。
世界に向けて
語り部韓国語情報
にあるように、だいぶ前に翻訳頂いてパソコン通信や大学などで遊ばれ、初心者相手に原作もので遊んだプレイレポートなどもあったりしましたが。
語り部英語情報
も新版で整備を開始してみています。無いよりはあったほうがマシということで。
#kataribe に来たアメリカ人などでD&DやShadowrunを遊んでるという人もいて、英語版はないと言わざるを得なかったりしたのは、やはり残念でしたしね。
他にも隠し球は色々と
幾つか隠し球は用意されていて、実際少しはテストしています。現在のゲームとしての語り部の弱点が、いつまでも弱点でありつづけるとは、限りません。
遊ばれかたも、使用するツールも、この10年でずいぶんと変化しました。その変化に耐えて、変化を抱擁してきたのがこれまでの語り部です。次の10年も、大きく変わりつづけるつもりです。
語り部コミュニティへの参加方法
TRPG.NETのIRCサーバを利用している人ならば簡単。 #kataribe にjoinするだけで、あとは説明を聞きながらやればOK。何をしたくて、どんなことをしてきたのかを伝えてもらえると、いろいろと案内しやすいですね。
語り部関連のチャットログは語り部IRCヘッドラインより辿れますように、自動的に公開されています。会話内容を加工して作品や記事を作成することを許諾頂いております。
その他の最近の語り部の活動については語り部メーリングリスト記事新着のメーリングリストの記事なんかが参考になるかと思います。
何かやりたいことやわからないことがあるのでしたら、お気軽にどうぞ。