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2004年06月号

愛すべきドラゴンの巣

特集: ダンジョンズ&ドラゴンズであれこれ
筆者: 死せる詩人

 『自然洞窟という名の敵』の最後の部分に、自然洞窟はドラゴンの巣なんだよね、と書きました。そこで、僕が以前セッション使う為に作成したドラゴンの巣を公開します。

巣の形状

 このドラゴンの巣は、休火山の中にある空洞です(三角パック牛乳の内部だと想像して下さい)。おおよそ円錐形で、底面の直径は1400ft.、最長部の高さは1000ft.です。底面はほぼ円形で、中心に直径200ft.の島があり、そこにドラゴンが寝ていてその足元には財宝があります。島以外の部分は溶岩で満ちています。溶岩部分の深さは500ft.です。

 壁の厚さは平均100ft.で、苔や菌類に覆われています。これによりイセリアル体の侵入を防いでいます(そういうヴァリアントルールが『次元界の書』に掲載されています)。また、洞窟内部の温度は摂氏60度前後を保っていて、硫黄と水蒸気が充満している為、通常の視界では20%の遮蔽困難(Concealment)が発生してしまいます(5ft.先までしか見通せないので、遠距離攻撃を受ける心配は殆どありません)。

 また外部と繋っている口は、極々小さな空気穴(直径1inch程度)以外は存在しません。ドラゴン自身はDimension Doorを使って外部との行き来をしています。

ドラゴンのデータ

 次にここに住まうドラゴンのデータです。3Eベースで作成しているので日本語版環境の人も直ぐに利用できます。

Shznoke Darktalon Wishingflame(炎を望む者、暗き鉤爪、シュズノウク)

Old Red Dragon
Size : Garugantuan
Str35+4(Bull’s Strength), Dex10, Con25+6(Amulet of Health), Int20, Wis21, Cha20
HD : 28d12+196(448)
BAB/Grapple : +28/+54
Melee : +36
Ranged : +24
AC : 37(-4 size, +27 natural armor, +4 mage armor)+4 haste
Save : Fort+26, Ref+16, Will+21
Spd : 40ft. / 200ft. fly(clumsy)

Atk :
+41 bite 4d6+14
+39 claw*2 2d8+7
+39 wings*2 2d6+7
+39 tail slap 2d8+21

SA & SQ :
Breath Weapon : 16d10(DC30), 60ft.-cone
Flightful Presence : DC29
SR : 24
DR : 10/+1
Immune to sleep, paralysis and fire
Spell-like Ability(Locate Object[at will], Suggestion[3/day])
Blindsight(240ft.)
Keen Sence(800ft.)
Darkvision 60ft.
Low-light Vision

Spell(CL11,CHA20), DC17+Spell Level
Spell / day : 6/6+2/6+1/6+1/6+1/4+1
Spell Known : 9/ 5 / 5 / 4 / 3 / 2
1st : Mage Armor, Shield, Alarm, Endure Elements, True Strike
2nd : Invisibility, Bull’s Strength, Endurance, Cat’s Grace, Silence
3rd : Haste, Dispel Magic, Nondetection, Protection from Elements
4th : Dimension Door, Detect Scrying, Shadow Conjration
5th : Teleport, Persistant Image

Feat(8) : Flyby Attak, Hover, Snatch, Quicken Spell-Like Ability, Wingover, Multiattack

Skill(308) : Spellcraft31(36), Bluff31(36), Concentration31(38), Diplomacy31(36), Knowledgffe(Religion)31(36), Knowledge(Arcana)31(36), Knowledge(the Planes)31(36), Scry31(36), Spot31(36), Listen31(36), Sence Motive31(36), Tumble31(31)

Treasure : Double Standard(122,000gp)
Glove of Storing*2
Ring of Counter Spell(Greater Dispelling)
Ring of Freedom Movement
Amulet of Health +6
Bracers of Armor +1 Heavy Fortification
300,000cp
50,000sp
2,000gp
7,000gp分のGem
3,000gp分のArt object

Language:
Draconic, Common, Undercommon, Abyssal, Infarnal, Ignan

 実際に使ったデータでは、未訳ルールブックのデータを結構使っているのですが、今回はそのへんは省いてあります。

シュズノウクの戦術

 冒険者に襲われた時、シュズノウクが採る基本的な戦術を示します。

 シュズノウクは毎朝、Persistant ImageのSpellを使って巣の底面中央にある島に自分自身が寝ている幻影を作ります(効果時間は24時間)。自分自身は常に溶岩の中130ft.の深さに身を潜めています。 またDetect Scrying(効果時間は24時間)、Nondetection、Mage Armor(共に効果時間は11時間)も自分自身に使っておきます。そしてKeen senceの能力がある為、800ft.まで近寄った時点でシュズノウクは巣に近付いてくる存在に気が付きます。気が付いた時点で以下のSpellを使って準備を行ないます。Bull’s Strength、Invisibility、Silence(Persistant Imageで作成した自分の幻影を中心に)、Protection from Elements(Cold)。

 次に敵が巣に侵入した後の戦術ですが、溶岩の中を130ft.にいるシュズノウクを探知できる知覚を持っている生物は、ドラゴンくらいしか存在しませ ん。通常の冒険者であれば、この洞窟内に立ち籠める水蒸気の所為で、魔法的な手段を用いても60ft.の距離までしか見通せないでしょう。従って、侵入者 は巣の内部では60ft.の範囲を確認しながら移動する事になります。

 シュズノウク自身にはBlindsight240ft.があるので、移動する侵入者をBlindsightの距離に捉えつつ溶岩の中を移動します(この途中Hasteを唱えておきます)。侵入者が中央の島(及びそこに投影されているシュズノウクの幻影)に気が付いた時点から行動を開始します。まず侵入者が幻影に近付く為に複数のグループに分かれた(多分幻影に近付くのはファイター系だけで、キャスターは60ft.-120ft.程度の距離を置くでしょう)時点で、通常の移動かTeleportでキャスターに近付き、Snatchした上でFlyby Attackの能力を使いそのままキャスター1人を溶岩の中へ引き摺り込みます(全身が溶岩に漬かると毎ラウンド20d6の炎ダメージを受けます)。以後溶岩の中に引き摺り込んだキャラクタにFull Attackを行ない1人ずつ殺戮していきます。ポイントは絶えず移動し続ける事(Hasteを使っているのでFull Attack後に移動可能です)と、最初にWizardかClericを狙う事です。溶岩の中に130ft.以上潜伏してしまえば、殆どの冒険者はシュズノウクの位置を感知する事はできないないので、捕まえる時以外は姿を出さないようにもしましょう。

補足

 シュズノウクの脅威度(CR)は20ですが、巣で戦うという困難があるので、もしPCがシュズノウクを倒した場合は経験点に+50%の上乗せをします。


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