2004年06月号
竜洞さんのダンジョン製作講座
特集: 単発記事
筆者: 高嶋ぽんず
- 竜洞
- 一部で人気の百瀬さーん、きてくださーい。
- 百瀬
- ……呼ばれて出てくるのは些か承服できないが……何の用だ?
- 竜洞
- (胸を張って偉そうに)私の相方です。ほら、今度地図特集やるけど記事あつまらないって、sfこと古谷俊一さんがIRCでうめいてたじゃないですか。だから私が一肌脱いで差し上げるのです(ふふん、となぜか猫口)。
- 百瀬
- ……わかったわかった(やれやれ、とため息ついて)。で、いつも竜洞はどうやってダンジョンを作るのだ?
- 竜洞
- い、いきなり本題ですね……流石は何事にも無駄がない百瀬さん。少しは胸の肉にも無駄をつけ……
- 百瀬
- いいから先に進めろ(気にしているのか、こめかみを引くつかせる)。
- 竜洞
- (びくぅっ)は、はいはいはい。そうですね、進めましょう進めましょう。私の場合は、まず回りの土地を作ることからはじめます。
- 百瀬
- 随分大げさだな。
- 竜洞
- これにはきちんと理由があります。ダンジョンそのものの形もそうですし、中に住むモンスターの種類や配分にも関係しますから。
- 百瀬
- つまり、砂漠に存在する遺跡にトロクロダイトは基本的にはいない、とか、そのあたりの設定を作るわけだな?
- 竜洞
- その通りです。他にも、近くに人里はあるかとか、その遺跡に住みそうなモンスターは、遺跡の外にでるのかとか、そういう習性も導き出されますね。ですから、周りの土地を決めるのは大変重要なのです。
- 百瀬
- ダンジョンにすべてを賭けているだけのことはあるな。それが決まると次には何を決めるのだ?
- 竜洞
- ダンジョンの種類です。遺跡なのか、自然の洞窟なのか、蟻などの虫が作った穴なのか……
- 百瀬
- 当然それにも意図があるのだろう?
- 竜洞
- もちろんです。遺跡なら。高度な罠が存在して、その周りには低級のモンスターは近寄らないでしょうし、アンデッドや他の冒険者が存在する可能性が格段にあがりますし、自然の洞窟ならゴブリンやオークといったヒューマノイドモンスターが生息しているかもしれませんからね。
- 百瀬
- あと、竜洞は生息区域とかにもこだわってたな。
- 竜洞
- ええ。ゴブリンの隣にオーガが住んだら、間違いなくオーガがゴブリンを殲滅しているでしょうし、もし洞窟の中に水場があったらその周りには湿地帯を好むモンスターや、その洞窟で力の強いモンスターが周りに生息しているでしょうから。
- 百瀬
- では、たまにゴブリンとオーガの生活区域の間にエンチャンテッドモンスターを配置してるのはどういう意味があるんだ?
- 竜洞
- それは、強さがあまりに違いすぎるモンスターを同一ダンジョンに住まわせるための間仕切りの役目をしてもらっているのです。魔法の武器しか通用しないモンスターを配置しておけば、普通のモンスターはその区域には近づきませんから。
- 百瀬
- なるほど……一応は考えているのだな。
- 竜洞
- 一応ってなんですか一応って……これでも、みんなに楽しんでもらおうと考えてるのに……(いじいじ)
- 百瀬
- いや、すまない……で、他に注意すべきポイントはあるのか?
- 竜洞
- えーと、基本的に高レベルアンデットモンスターとヒューマノイドモンスターの同居はしない、とか、その程度で しょうか。あとは、ダメージ系の罠は、普通のダンジョンでは安易にはつくらないのと、かならず解除しなくても進める道を作っておくぐらいですよ。自分で 作った罠に引っかかるなんて、目も当てられませんから……
- 百瀬
- ふむふむ……参考になった。では、その路線でクトゥルーの呼び声のダンジョンシナリオを作るとしよう。
- 竜洞
- (げ、とうめいて) そ、それは探索者全滅してしまうですよ?(混乱中)
- 百瀬
- (ニヤリ)