2003年12月号

司の無責任なシナリオ作成講座【シナリオはキャラクターから作れ!】

特集: 司の無責任なシナリオ作成講座
筆者: 端島司

 どもどもーはじめましてー♪
 TRPG.NETでは入ったばかりの新参者、端島司でございまする。
 さて今回のテーマは、私が絶対に明らかにしようとしない、シナリオ作成方法についての暴露がメインとなります。

 ……ま、まぁ、かなり問題アリアリですけど、蹴らないでもらいたいとゆーか(弱気)……

 えーい、まず、いってみましょう!

▽ちゃぷたー1:ラスボスを作成して、PCの最終目的を作ってしまおう!

 司は、いつもここからシナリオを考えます。
 ちなみに、司はスケールが大きい話が大好きですので、まず黒幕から考えます。よーするにラスボスってやつですな。
「この世界には悪いやつがいて、何かを企んでいる。だから様々な事件が発生して、PC達の活躍がなければ大変なことにっ!」
 単発だろうと、キャンペーンだろうと、ラスボスはラスボスです。とにかく大きくいきましょう(笑)

 曰く……魔王。悪しき神。何処かの犯罪結社の首領。禁断の知識を手に入れてしまった魔法使い。世界破壊バクダン。

 最後のはなんか違う、と思った人。
 いいのです。とにかく、PCが「何とかしなきゃならん!」と、事件解決に向けて走り出す理由になればね。

 ボスの立場がきまったら、設定付けなのですが……これは、細かく決めないほうがいいかもしれません。
 何故なら、ラスボスの前に来るまで、物語の流れがどう転ぶか……予想不可能だからです。私の予想が正しければ、何処かで絶対に脱線が発生します(笑)
 ラスボスの設定は、あくまで「大まかな個性と目的を決めておく」くらいで。残りは、シナリオ中にだんだんと「決まっていく」のです。PCが言い出した設定やら、GMの閃いたアイデアなどでね。

~まとめ~

・ラスボスのデータを作る。
・ラスボスの立場(魔王だとか悪の魔術師だとか結社の首領だとか)を決定する。
・ラスボスの最終目的を決める。

▽ちゃぷたー2:敵勢力を作成して、PCの設定を盛り上げてみよう。

 さて、ラスボスの立場がきまったら、次に、配下の設定です。
 よーするに……「中ボス」っていわれる連中ですね。これは、敵の勢力の色づけ、個性付けにもなるので、実はラスボスよりも重要です。こいつらを軸に敵勢力を演出します。
 これに失敗して白けた経験もありますけど……(涙)
 データ自体は余り考えては作りません。意識しているのは、基本的に「強め」であることくらいかな。

 何故なら、こいつらには強さよりも必要なステータスがあるからです。

 PCが完成した後に……それぞれに、因縁をこじつけさせる、というっ!(笑)

 兄弟。ライバル。恋人。親子。師弟。馴染みの武器屋。昔飼ってたペット。村人A。どのパターンにするかはキャラ次第です。

 ですから、PCが完成したあとで、中ボスの設定を作成するのです。設定の概念は、PC自身の設定を元にするわけですから、結構早くできます。
 個性は強く、そして複数いる場合は明確に差があったほうがいいです。度々登場するでしょうから(笑)

 これが完成するころには、あとは雑魚さえ配備すれば、自然と勢力が完成しているものですよ。

~まとめ~

・中ボスのデータを作成する。
・プレイヤーにPCを作らせる。
・PC達の設定をもとに、中ボスの設定と個性を決める。
・敵の勢力に応じて、それに相応しい雑魚を用意する。

▽ちゃぷたー2.5:敵に必要な条件。こんな敵がいると楽しいです、はい(笑)

 これはGMの趣味にもよりますが、敵と一言に言っても、2種類の分類ができます。

*己の信念のために戦っている者……己の正義のため、もしくは護るべきもののために、悪に荷担しているというタイプ。

*本当の極悪外道……殺すのが大好き、人を不幸にするのが快感、自分だけが幸せならそれでいい、全てに憎悪を感じる、人の心を踏みにじるのが趣味など……「お前は生きてちゃいけない人間なんだ」タイプ。

 私は、この両方を、中ボスまたはラスボスのいずれか一人に、とりいれます。
 少なくとも、極悪外道は一人存在させましょう。そうすることで、PC達の正義の怒りをあおり、士気を上昇させることができます。そして、戦いの場でも熱く語ってくれるようになります(笑)

 ただ、やりすぎは注意です。この手のキャラに凄惨なシーンばかりやらせると、プレイヤーが辛くなってしまいます。(GMでさえも)

▽ちゃぷたー3:舞台を用意したら、敵味方の接触からシナリオをはじめよう!

 続いては、物語の舞台です。
 物語が起こる舞台…………町だったり、村だったり、国だったり、遺跡だったり…………
 規模にかかわりなく、舞台によって、これも流れにパターン分けがされます。
 支配された町…………生贄を求められた村…………魔王退治の募集をかける王国や、秘法の眠る遺跡。
 ここで、PC達が、「敵」と接触するための「切っ掛け」を起こすのです。

 この時に、中ボスを前にだして、PCの一部との因縁的なロールを演出したり、餌となるNPC(笑)を作っておいて、助けを求めさせたりと、PCが「敵」と対立するための理由を作ってしまうのです。
 報酬で釣るという方法もありますが、因縁じみたほうが盛り上がるでしょう?

 シナリオを成功させるためには、ここでPC達が食いつくか否かが、最大の山場となります。

~まとめ~

・物語の舞台を用意し、最初に発生する事件を決める。
・PCたちを巻き込む形で事件をおこし、敵との接触のイベントを用意する。
・中ボスたちとの因縁をまじえたやりとりを行う。
・PC達が事件解決にのりだすよう、誘導する。

▽ちゃぷたーえんど:さて、あとはアドリブのみです(笑)

 基本的に、決めることはこれだけ……おや、どんな事件を起こすのか、全然きまってませんね。

 しかし、これだけ決めてしまえば、あとは、不思議不思議。ボスの「目的」を果たすための陰謀が、おのずと完成されるのです。

 例を挙げてみましょうか。

<例>

「ラスボスは、王国に復讐することが目的」
         ↓
「ボスAはPC2の兄だが、PC2の病を治すために、ラスボスに手をかしている」
         ↓
「それなら、王国には望みをかなえる伝説の秘法が眠っているのはどうだろう」
         ↓
「ラスボスは、それを使って全てを滅ぼそうとしているのだ」

 こんな風に。風が吹いたら、桶屋が儲かるわけです。

 あとは、決定した陰謀(笑)にむかって、物語を集約させていけばいいのです。
 王国から秘法守護の依頼をうけたり、ボスAを囮としてPC達と戦わせることで、秘法がまんまと奪われたり、秘法奪還のために、PCがボスAから聞き出した敵の本拠地に殴り込んだり……


 シナリオそのものを一つのストーリーとして脚本にして書いてしまっては、PC達の型破りな行動にすぐに対応しきれなくなります。
 ですから私にとっては、イベントが起こるたびに次のイベントを順次作っていくのが、一番負担が少なく楽しみも多いのです。
 結末は用意していても……その経過は未知数。GMはNPCを使って、ストーリーを組み立てていくのです。

【結論! シナリオはキャラクターから作れ!】

 これが、司のいーかげんマスタリングの真髄なのですね、HAHAHAHAHAHAHA!(笑)

~総まとめ~

・シナリオを作るときは敵NPCを軸にし、PC達との関係をもたせよう、きっと盛り上がるはず。

注)よいこは、真似してもいいですけど……責任はもちましょう♪


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