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2004年06月号

現代冒険ものTRPGのソースブックに使える地図類ご紹介

特集: 単発記事
筆者: 鍼原神無

注)「ブルーローズ」念頭ですけど

地図帳のあれこれ

 実は、地図帳って、一般的な価格帯の1500円~2000円内外の商品でも、比較して見てくと、エリアのトリミングや倍率、編集方針、作図方針、などなど結構違いがあります。

 例えば、国際地学協会のユニオンマップ『21世紀の世界地図』てのが手もとにあるんですけど。
 実は、この「ユニオンマップ」、インド洋、大西洋、太平洋の「海底地形図」が載ってまして。それでアタシは買ってしまったのでした(笑)。
 海底地形図載ってる地図帳、ほかにもあるかもしれませんけど。

 同じ価格帯の地図帳でも、見比べるとこんなのもあります、ってサンプルとして、ご紹介してみました。
 ときどき、立ち読みで見比べると結構こんな発見もあるわけです。
 もちろん、買うかどうかは別問題ですよね。
 いろんな地図帳見比べるだけでも見比べてみると楽しいと思います。

 TRPGのソースブックとして、何冊も地図帳買う必要性はありません(あたりまえ)。

 でも、1冊買った地図を、存分に楽しみながら使い込んでいって、「元は取った」と思えるくらい使い込んだら、多分きっと2冊目買うのも抵抗感なくなってるんじゃないかな? とは思います。
 無理に複数買う必要ないけど。楽しみながら使っていけば、長期間かけるなら数冊買っても元を取るくらい遊べる、とは思うわけです。

ベーシックな地図帳

 てなとこで、現代ものTRPGのソースブックに使える、比較的ベーシックな地図帳を2冊ご紹介します。個人的理由で「ブルーローズ」が念頭になっちゃってますけど、そこら辺はみなさん適宜補正しながら読んでよってください。
  昭文社刊『でっか字コンパクト世界地図帳』 [bk1の購入案内をみる][アマゾンコムの購入案内をみる]

 この地図帳は、TRPG.NET「ブルーローズ情報倉庫」のページでも挙げられています。
 A5版とコンパクトサイズですけど。ふつうの地図より地名の活字フォントがでっかくて見易い。
 フォントはでかいけど、微妙な多色で地名を印字してるんで、画面的にもうるさくない、って優れものです。

 現代ものTRPGのソース・ブックとしては、「世界の気温と降水量」のデータページが役立つと思います。
 世界各国主要都市60の、年間気温推移と降水量推移を複合させたグラフで示してあるコーナー。同サイズ、同フォーマットのグラフが60、見開きに構成してあるので比較対照も楽です。もちろん「ブルーローズ」でもすごく便利。
 後、「ブルーローズ」的には、世界遺産リストのコーナーが便利。もちろん、リスト掲載遺産は地図の方でも、通常の遺跡マーク(∴)とは別のマークでマーキングされてます。
 一つ残念なのは、掲載遺産リストが、多分、初刷り刊行時(2002年)のもの1017件になってるらしいこと。
 最新刷りまで確認してるわけではないですけど、書店店頭でチェックしたことある第3刷りまでは、1017件リストで来てたと記憶してます。

 世界遺産は、毎年、増えてますけど、出版社さんにしてみれば、リストだけ増やすわけにもいかないでしょうし。地図のマーキング増やすと、版も代えないといけないでしょうから。残念ですけど、これはしかたないですね。
 特に、おでかけセッションでのマスタリングが多いGMさんには、サイズがコンパクトってメリットで、『でっか字コンパクト世界地図帳』一推しです。
  昭文社刊『なるほど世界知図帳』 [bk1の購入案内をみる][アマゾンコムの購入案内をみる]

 近年類書が増えてる情報地図の類で、毎年、年度版が刊行されるみたいです。
 今、書店店頭にあるのは「’04-’05版」。

 アタシが観てる範囲の類書では、昭文社刊のこれがお勧め。
 理由は、類書の内では、倍率を変えた地図の枚数が多いと思えるから。
 同じエリアでも別倍率の地図に一部ダブって載ってる、ってことが、比較的多いと思います――あくまで、アタシが個人的に見比べてる範囲での判断、ですけどね。

 それから都市図を集めた「世界の地図」のコーナーもあります。
 さすがに、都市図はA4判一面を60葉とはいかなかったみたいで、内にはA6より小さな地図もありますけど。でも便利。
 「ブルーローズ」向けでお得なのは、類書にもある、年鑑的な情報記事コーナーに、「近年登録された世界遺産」がリスト・アップされてるとこ。

 同様の「近年の遺産リストアップ」は、他社刊行の類書でも掲載例多いですけど。
 とりあえず、情報地図類書の内では、トータルで『なるほど世界知図帳』がお勧めと思います。あくまで、「ブルーローズ」や現代ものTRPGのソースブックとして、って個人的判断ですけど(念のためお断りしておきます)。

 ベーシックでご紹介した2冊を比較してみると――
 「ブルーローズ」のことを置いておいて、現代ものTRPGのソースブックとして、って判断なら「世界知図帳」優先で、お出かけGMが多い人がセッションでの活用も考えるなら、「でっか字」も比較検討、ってとこでしょう。

 あくまで「ブルーローズ」中心って判断なら、やっぱり「でっか字」を一推しして、余裕があったら「世界知図帳」を2冊目に、ってお勧めをしたいです。
 決め手は「世界遺産リスト」です。「でっか字」の方で2002年までのリストをおさえて、「世界知図帳」で近年の登録をおっかけてく、って路線をお勧めします。

「ブルーローズ」念頭+αの地図類

 ベーシックの地図を押さえて、地図の楽しさにハマって人用、ってことで、いくつか+α用の地図もご紹介しておきます。
 +αの方は、「ブルーローズ」のシナリオ傾向も考えてみたいと思います。
 「ブルーローズ」はGMしないなって、方は、すみませんけど、話の種くらいに気楽に読んでやってください。

 まずは、ワールド・ワイドな冒険の楽しさから追求してきたい人向けには――
 昭文社のエリアマップ「世界地図」のシリーズをお勧め。
 それから、ワールド・ワイドな冒険でも、特に、シティ・アドヴェンチャーに凝りたいって人向けには――
 日本航空文化事業センターの「JALシティ・ガイド・マップ」のシリーズをお勧め。

 次に、歴史ミステリーの色が濃いシナリオに拘りが強い人向けには――
 帝国書院の『地図で尋ねる歴史の舞台―世界―』をお勧め。

 エリアマップ「世界地図」(昭文社)と、「JALシティ・ガイド・マップ」(日本航空文化事業センター)は、共に、折り畳み地図のシリーズです。
 ロードマップなんかにありますよね。折り畳んだ大版地図を厚紙のケースに収めた商品です。
 昭文社のエリアマップ「世界地図」のシリーズは、「アフリカ」とか「イギリス・アイルランド」とか、のエリア地図が大判で提供されてます。エリアマップでは「茨城県地図」みたいな国内地図の方をよくみるかもしれませんけど。海外向けトラベル・ガイド書籍の品揃えがいい書店で探してみてください。 (この地図は、オンライン書店の購入案内うまく見つけられませんでした)

 アタシは、自宅で地図の一部に付箋紙でマーキングしてからコンビに行って、一部をカラーコピーなんてことをしたこともあります。
 ちょっと凝りすぎのきらいはありますね(苦笑)。
 あくまで+αのマップってことでご紹介してます。

 幸い、単価は地図帳より安価(現行で500円くらい)なので、試しに一つ買ってみてもいいかもしれません。
 アタシは、最初「アフリカ」の地図を買ったと記憶してます。
 さすがにA4版などの地図帳よりも記載情報密なんで。自宅でバサーっと広げてみてると、楽しいです。
 でも、そこまで情報密にしても、シナリオで使いきれるかって言うのは別問題ですよね(困笑)。

 日本航空文化事業センターの「JALシティ・ガイド・マップ」のシリーズは、手元にある「カイロ」の地図をみながらご紹介してみます。 [bk1の購入案内をみる][アマゾンコムの購入案内をみる]

 紙面は、B2サイズより一回りくらい小さい感じの変形判(?)です。(洋紙のサイズかもしれません)
 片面では、B3サイズくらいの面積のセクションに、4色の「カイロ市街図」「カイロ周辺図」「ナイル河流域地図」が構成されてます。後、囲みっぽく小さな「ギザのピラミッド」(周辺図)も4色であります。

 4色面は、折り畳んだときに表紙っぽくなるセクションと、簡単な広告が隅に置いてあって、地図セクションは紙面より少し狭くなってます。
 裏面はエジプトの渡航情報――出入国手続とか、換金レートとか。チップとか見どころなどの情報がコンパクトにまとめてあります。トラベル・ガイドブックの類よりも情報量はコンパクトですね。
 この手の情報は変動し易いですけど、コンパクトにまとめてあるのは便利です。

 帝国書院の『地図で訪ねる歴史の舞台 ―世界―』(新訂版) [bk1の購入案内をみる][アマゾンコムの購入案内をみる]

 実はこれ、A4サイズの類書の内で、使い勝手がどのランクか、まだアタシもそんなに類書の比較対照できてません。
 個人的には愛用してるんで、ご紹介だけしてみますけど。もし、何か特色があって、使い勝手のいい世界史地図をご存知の方は、よろしければ「ブルーローズ雑談所」の掲示板の方ででも、ご紹介いただけたら、アタシもありがたいです。

 もし、「歴史地図」って聞いて、中学・高校で使った(と思うんですけど)A5サイズ横置きくらいの小さな地図帳を思い出した人がいたら、情報量も情報密度も段違い、ってことは強調しておきます。

 当然ですけど、超古代遺跡の情報は載ってません(笑)。
 あたりまえだけど、古代史関係の情報が全編に渡ってるわけですらなく、中世のコーナーもあれば、近世、近代のコーナーもあります。
 ですから、あくまで「歴史ミステリーの色が濃いシナリオに拘りが強い方」向けの+αのご紹介でした。
 「ブルーローズ」GMをしない人でも、歴史が好きな人にはお勧めできます。姉妹書籍で「日本史編」も出てますよ。


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