2003年06月号
キャンペーンの傾向と対策【尻切れトンボなキャンペーン】
特集: IRC座談会企画:キャンペーンの傾向と対策
筆者: 桜井@猫丸屋
- CshopGiji:
- それではまずは、失敗談などをお聞かせ頂けますでしょうか?
- tatsu114:
- キャンペーンってーか、オンラインセッションはなんかいかに分けるが、ルールの議論でもめて時間切れでおざなりになったことはあるねー。
それっきりというか、新年記念のセッションということでやったのよ。それで、予定じゃ最終日で、シーンもクライマックスで、その議論が始まっちゃって、そのまま時間切れでもう次の日から予定が入ってる人がいて、それっきりになって未完。
ちなみにやったシステムはガープスルナル。ルールの見解違いでずるずる時間がたってしまったのが原因だった - chita:
- 次に多いのが多分私がしでかした「1話しかしてない」
- sf:
- そーさねー特定のプレイヤーの特定のPCが前提になってる続き物が、辛いかなー。「続きは次回」とちがって、都合をつけられないまま、予定を立てる気力が萎えて立ち消えとか。
- Tori:
- 人が集まらなくてモチベーションが下がって来て…で、もういいやって感じですかね?
- LIST:
- 失敗かぁ。私は黄昏の天使で失敗しました。第二話のラストをどうしてもまとめられなくて、2話の中盤で挫折です。
どうしても2話のラストで全滅を避けられなかったので、プレイの開催を避けてしまったワケです。 - CshopGiji:
- ちなみに私の失敗で多いのは“人が集まらず尻切れトンボ”というものです。
- Tori:
- 多いですねえそのパターン
- sf:
- たしかに、人が集まらないで続かないというのは定番だなあ。
- Kyrie:
- 人が集まらねば出来ないTRPGの宿命
- CshopGiji:
- GMがやる気にならないとセッションが成立せず、ピンチヒッターで別のGMが立つ。それがしばらく続くうちにキャンペーンがなかったコトになる、というケースですね。
その中でももっとも多いのはGMがヘコんで続きをやらないケース。(GMは自分の時も、他の友達の時も両方) - sf:
- へこむってのはどんなのだろう
- CshopGiji:
- ヘコむ理由は、人によりけりですが。私の場合は、プレイヤーさんの反応が全然、楽しそうじゃなかった時が一番、ヘコみます。楽しんで欲しくてGMをやるのに、楽しんでもらえなかったら切ないですものね(笑)。
あと、ある友達のケースで多く見掛けるのがセッション中のささやかなミスを、10倍くらいに膨らして気にしちゃう → ヘコむというケースですね。 - tatsu114:
- もこもこもこもこ
- CshopGiji:
- GMはGMとして、楽しんでもらえなかったコト,ミスしちゃったコトを自戒して前向きに改善していく方向がまっとうなんですが。
- akiraani:
- キャンペーン途中でメンツが物理的にいなくなるとか。(さすがに姫路から名古屋に引っ越されると……)
- tatsu114:
- うちのサークルでも、そういうパターンが多かったらしい。(らしいというのは私が入る前のころの話なので)
- CshopGiji:
- 就職とか進学で物理的にいなくなるってケースもまま聞くお話ですよね。やっぱり途中で分解ってケースは多いみたいですねぃ。
- Tori:
- 新潟と関東の混成面子でキャンペーンやったことありますよw 数ケ月に1回合宿状態で集まって…終わるまでに2年かかりました。
- CshopGiji:
- 修学旅行感覚で楽しげですよね。
- Tori:
- 楽しいですよ。
- akiraani:
- 多少メンツが足りてなくても、固定さえしていれば何とかなる。逆に、流動的にメンツが入れ替わるととたんに難しくなる
- aculeus:
- ありがちですが、中途での重要PC・NPCの死、またはアイテムの消失とかもありますよね
- tatsu114:
- 後システムに飽きてという分解もあるかもしんない。ゼノスケープで3話をやる予定があったらしいのですが2話の時点でとまってるし。
- CshopGiji:
- それは、やっぱりルールに飽きられてですか?
- tatsu114:
- ルールに飽きられてもあるけど、あれトランプ使うから6人だと頻繁にシャッフルしなおす事になるんですね。
で、マスターがそれじゃめんどくさいからって2セットにしたら特定のキャラが強くなりすぎてしまってつまらなくなったという感じかもしれません - CshopGiji:
- なるほど。ゲームバランスが変わってしまった、ってコトですね。
- tatsu114:
- をういえす
- chita:
- 止まると再開するの難しいですね。他のネタが始まってしまったりとか
- sf:
- そーだねえ、なんでも、一旦止めてしまうと、こー。キツい。メールマガジンとかも(ばたり)
- CshopGiji:
- キャンペーンに限った話ではないということですねぃ(笑)。
- akiraani:
- 忘れるしねw
- sf:
- 間があかなくても、別のセッションをはさむと関心が薄れるのは確かかなあ
- CshopGiji:
- 別のセッションってのが、面白いとそっちの続きをやりたくなりますし──つまらなければ、つまらないで悪い印象で遠ざかっちゃったりってのはあるかもしれませんね。
時間がたっぷりあると、そんなコト言うまでもなく、がんがん遊べるんですけどねぃ。──ただ逆に飽きちゃうかも(笑)。 - sf:
- キャンペーンのコツは飽きる前に短時間でさっさと終わらせることだなあ。なんでもそーか。
- CshopGiji:
- 短時間だけでなく短期間ってのも重要ですね。興味が別に移ってしまわない内に、終わりまで持ってく。
──でも、そーなると壮大なキャンペーンをやりたい人にはまったく向かないアドバイスに(笑)。 - Tori:
- じゃあ、GMやっててPLのモチベーションを維持するためにした工夫とか聞いてみる?
- CshopGiji:
- 割と安易に面白いセッションを提供してれば──みたいな結論をしてしまいがちですしね。ホントは(考察してみれば)いろいろ工夫があるハズなので面白いかもしれません。
ちなみにボクの場合、セッション中にプレイヤーの思いつきとか提案を取り入れるようにしています。(単発でも共通のテクニックですが) - OTE:
- キーPCを告げてセッションするのを良く用いますシナリオの最初に、今日は誰それ中心でいくっす、みたいな感じです。
- CshopGiji:
- 戦隊モノで、各話ごとにスポットが当てられるキャラクターがいるような感じですね。
- Tori:
- あとは、PCが食いつきそうな伏線を張っておく
- OTE:
- 集まった日に、おさらいをするw 後は、おさらいをわざとらしく無い程度にシナリオ中にやったり。
- CshopGiji:
- そういえば長く続いたキャンペーン、リプレイを書いてるのが多かったです。(←おさらいの延長線?)
- OTE:
- 解説役NPCを仕込んでやったりしますねw GMが直に話しかけるとモチベーション落ちるので、NPCが相談に乗る感じで(^^;
- CshopGiji:
- なんでも覚えてる、備忘録NPCですね(笑)。
- OTE:
- セッション自体も操縦しやすくなりますしね。ただGMが忘れてるとダメですが(笑)。
- CshopGiji:
- わりとよくある話であったりはしますね(笑)。
- sf:
- なんでも覚えてる、備忘録プレイヤー(げしっ)──がいると便利。
- OTE:
- キャンペーンだと、集まるまでも大事だけど、集まったときに、スムーズにセッションに入れるかどうかってのは、大事っぽいです。
- CshopGiji:
- やっぱりスムーズに入れないと、冷めちゃいますか。
- OTE:
- 醒めるというか、疲れちゃう。雰囲気悪くなりがちだし。
- CshopGiji:
- 雰囲気悪くなると、次につながりにくくなりますね。
- sf:
- あとまー、プレイの合間にキャラや設定やこれからの展開について話をしておくと、やるきが持続するかな。学生のころは休み時間に話して放課後セッションとか、下校中に話して休みにセッションとかやってたなー。
- CshopGiji:
- いわゆるセッションの外での工夫ですね。(学生の頃のお話だと、工夫ってより自然な流れだったかもしれませんが) キャンペーンだと、どうしてもセッションとセッションの間の時間が長くなるので、セッションの外での工夫も大事ですよね。
- sf:
- いまどきですと、チャットで話しとくとか、メールでやり取りしとくとか、設定やレポートをWebにあげとくとか、そんな手もありますね。
- CshopGiji:
- レポートなんかは、喜ばれそうですね。プレイヤーさん達から。設定やレポートをWebに上げたりってのは、慣れた人だとさくさくやってくれるかも。(ホントはリプレイが一番、喜ばれましたが大変でした ← 経験)
皆がとても楽しんでる幸せなケースだと、チャットや電話での会話,リアルでの会話,メールでのやり取りなんかは自然発生しますね。そーいえば。 - sf:
- 義務にしちゃうとまた続かなかったりするけどねえ。それをやんなきゃというので疲れてしまう
- CshopGiji:
- 自発的に、やりたくなるってのが一番。と、すると。どう誘導したら自発的にやりたくなるかっトニころがポイントになってきますね。
- sf:
- 自発的にやりたいというのを上手く取り入れていけるというのが良いんでしょうね。だから、さっきも出ていた「プレイヤーの提案ややりたいことを取り込む」とか「ゲームマスターの思い入れだけで運営しない」が大切になってくる。
- CshopGiji:
- その点で、トーキョーNOVA(ツクダ版)あたりから、ぽつぽつ採用が始まったセッション間のアクション(プレイレポートや会場のセッティングなど)に経験点をあげるって方式は、着眼点は良かったんだなぁと思います。
動機付けにはなる。ただ、実際問題としてはどーだったのか気になりますね。 - akito:
- いっそのこと。プレイヤー/GM/セッションコーディネーターと用語を割り振ってきちんと役割分担してしまえば良いかと思ったり
- sf:
- 報酬による動機づけは、内発的な動機づけを殺しがちなので、長期的には良くないことかもと思うことはあります
- CshopGiji:
- よくおっしゃってるお話ですね。ロールに対する報酬型のシステムでも。単発中心だと、問題なく回るんですが。
それが是(アリ)って雰囲気作りに一役買うので。結局、最後の方では報酬とか関係なくやりだす傾向をよく見ます。(ただ長期的な──それこそキャンペーンみたいなケースでどうかはわからないんですが) - sf:
- 演技演出なんかだと、「だって報酬のためだから」というのが恥ずかしさを無くす効果があるとは思います
- CshopGiji:
- ここ最近、単発セッションが中心だったので、できたら、そのあたりの経験談も聞けると嬉しいですね。
- akito:
- 「PCが死んだら次のGM(GMやるとPCが蘇生権を得る)」という変則ゲームで遊んだら、3回と続かなかった記憶があります。(理由:パーティ全滅した)
- CshopGiji:
- それはGMが殺しに掛かっちゃうからですね?(笑) それとも逆にプレイヤーがGMやりたくて死にに掛かる?
- akito:
- 一人だけ殺すというのはなかなか難しいものなのです
報酬が報酬として機能するのは周囲に比べて優位に立てるということがあるかと思うのですが、みんなが積極的に動くと報酬の価値が下がる。 - CshopGiji:
- みんなが持ってて当然、となるので報酬としての価値は薄れて義務化しちゃうわけですね。
- akito:
- ちなみに、ボクは備忘録ではなく議事録プレイヤーだったりします。
- CshopGiji:
- わはは。さすがオンラインのログ切り魔人様。(←語り部見た)
※sfさんが運営されているTRPGを基盤に置いた共同創作コミュニティ語り部で、akitoさんはアクティブにIRCのログきりをされてましてログ切り魔人の異名を取っています。
- CshopGiji:
- リアルでも、議事録な人だったですね(笑)。GMから重宝されるでしょう?
- akito:
- オフラインでセッションをやると、元気なら一時間当たりA4一枚ぐらいはメモが発生します(平均的にはA5かも。あんまやると、セッションへの参加が弱まるので)
- CshopGiji:
- それは凄い量ですね。A4×1枚ペースでも、ボクだったらダメかもです。
- akito:
- ちなみに、メモされる内容には「『でかぷっか』の大きさは1.5cmぐらい」とかイラストまじりな無意味なものも含まれます
- CshopGiji:
- ついで、というわけでもないですが──議事録的なメモの延長線上でプレイリポートがキャンペーンの継続にプラスに働くって話がありました。
- akito:
- それはあるでしょうね
- CshopGiji:
- で、その辺、akitoさんなりのコツとか楽しさ(←自発的にやってもらうのに重要)ってあるでしょうか?
- akito:
- 良いプレイリポートの書き方というのは今後研鑚をしてみたいジャンルではあります。「目の前でやってみせる」というのが一つでしょうか。あとは「みんなでわいわい閲覧する」とか
- CshopGiji:
- 自分の書いたものの価値が認められると、またやってみようかという気になるってコトですね。
- akito:
- そして書いてあるのを誉めちぎる
- OTE:
- 誉めるのは大事ですよね。しかし、実際には誉めるより減点する方を見かける気がします。
- akito:
- セッション終了後の食事の場所などで
それを肴にしておしゃべりするというのは楽しいです
「……なんか、お前のキャラばっかり活躍したことになってない?」
「それが歴史というものなのだよ」 - CshopGiji:
- 確かにアフターセッションで、10分でも20分でもそういう話題を持ってくるのは重要ですよね。(長い時間だと、難しいケースもありますが)
- akito:
- 良かった点と悪かった点をセットで指摘するというのが良い方法だと思います
- CshopGiji:
- そうですね。悪いは悪い点を指摘するのも──具体的な改善提案という形にすると良いと思います。
- akito:
- 必ず良かった点から指摘して、最後に軽く問題点を指摘。改善方法については、興味がありそうだったら追加。