2003年10月号

オンラインセッションの現状

特集: 単発記事
筆者: 水無月冬弥

 昔、ちらっと記事(2003年3月号ある妻帯者の決断)を書いた水無月冬弥です。
 今回、特集がオンラインセッションってことで、僕も魔獣戦線という弱小オンラインセッションサイトの管理人をやっている手前、宣伝ついでにちょっと書いてみたいと思います。
 なお、オンラインセッションの現状というタイトルですが、あくまで僕の主観ですので、ご了承ください。

1.TRPGとなりきりチャット

 いろいろな条件が重なり、オフラインでTRPGができない時、オンラインに活路を求めようとします。選択肢は二つ、自分で主催するか、それとも既存のオンラインセッションサイトに参加するかの二つです。
 しかし、実際、オンラインセッションサイトって少ないと想うのですが、みなさん、どう思うでしょう。
 ネットが普及した昨今ですが、キャラになりきって遊びという広義な意味で捉えれば、多くのサイトが存在します。
 ただ、その多くが、ボーイズラブで、ごく普通の日常を演じる、俗にいうなりきりチャットの類ですが(笑) 残念ながら、ネットの世界では、オンラインセッションよりもなり茶、しかもボーイズラブのほうが主流なのです。
 哀しいかな、それが現実なのです。
 匿名性で欲望がぶつけやすかったり、GM不在でも日常生活ならなんとかなるしお気楽という点からすれば、至極当然な気もしますが。

<魔獣戦線の場合>

 魔獣戦線の場合、あまり過度の馴れ合いはしたくないなあと思いつつも、時代の流れにそって、週末祝日だけBARという形で、なりきりチャットをしています。

2.現在の主流派

 様々な検索サイトなどを利用してようやく見つけるオンラインセッションサイト、使用システムと規模によってそれぞれ二つずつ分ける事ができると思います。
 システムでいれば、SW(ソードワールド)か、そうでないかです。
 やはり、SWの人気は高いです。
 割とみんなルールブックを持っているからでしょうか?
 中規模から大手サイトになればなるほど、SW使用のサイトが多いような気がします。
 また、規模でいえば、大きく門戸を開いている巨大サイトと、オフラインの関係をオンラインに持ってきた仲間内でやっている個人サイトの2種類です。
 この2つには明確な差は人数の差だけです。
 スタートはどこでも、だいたい個人サイトでしょうし。
 個人サイトから大規模になる経緯の一つとして、プレイヤーがたくさんいたほうがセッションが開きやすいということがあります。
 セッションが確実に行えるための、一種の保険ですね
 もっとも、あまり規模が大きくなりすぎると複数のGMを用意しないと、サイトには参加したのにいつまでたっても、セッションに参加できないという矛盾が生じてしまうのですが。

<魔獣戦線の場合>

 うちは弱小サイトです。基本的に中心となるセッションのGMは僕だけですので、大きくできません。ただ、一人のGMの割には、メンバーが多いので、メンバー主催のミニセッションを認めています。
 また、ルールはオリジナルだったりします。

3.オンラインセッションとしてのルール

 オンラインセッションは本人が見えないので、異性を演じても違和感がないという利点や、文章として残るのでリプレイなどが編集しやすいなどの利点もありますが、どうしても、会話ではなく文章の打ち込みのため、時間がかかってしまいます。
 しかし、同人、商業とわずオンラインセッションを行うからといって特別ルールや進行ルールを創ってあるとこは少ないですね。どうしてでしょう?

<魔獣戦線の場合>

 魔獣戦線はオリジナルルールですが、そもそもオンラインセッションを前提に作られており、上記の問題はクリアしています。
 もっともオフラインだと1時間程度で終ってしまいます(笑)

4.メンバーの変遷

 同じメンバーがいつも揃うのなら、それに越したことはありませんが、オンラインの場合は、集まりやすい反面、様々な人がいるため、別れも早い傾向にあります。
 まあ、現実的な縛りもありませんしね。
 うちのサイトは5年もやっていますが、大きくわけてメンバーは2種類にわかれます。

 A:高校生・大学生層
 B:20代後半層

 の2種類です。もうすぐ30代層が増えていく気配ですけどね。
 で、Aのほうが行動は活発ですが、脱退するのもAのほうが多いです。
 進学や就職を機に。
 これは仕方がないことです。所詮は遊びなんですから。
 とキザに納得もできないので、継続手続きの時なんかは、涙を流すのですが(苦笑)
 20代後半組は、いわゆる出戻り組か、社会に飛び出してもTRPGをしているので、脱退することは少ないですね。
 結婚というイベントがあるとわかりませんが。
 また、幽霊な人ばかりいて見せかけの人数が増えすぎると、その人数の多さで敷居が高くなる場合もあるので、ある程度長くやる場合は、幽霊メンバーの削除も重要です。
 でも、時々、復帰される方もいるんですね。
 そんな時、すごく嬉しくなります。

<魔獣戦線の場合>

 魔獣戦線は定員制であることもあり、春秋に継続手続きをしています。
 今までのデーターだと、4年半やって、参加者、登録だけの人(幽霊)、参加していたけど継続しなかった人がだいたい、1:1:1の比率ですな。
 参考になるかどうかわかりませんが、面白かったので書いておきます。

5.閉鎖された世界

 なり茶系サイトも含めた話ですが、あまりリンクってされてないですよね。
 人数がいるゲームですので、他に流れていくのを阻止したいというのもあるんでしょうね。
 けど、そうすると新しい人がやってくるのも阻止してしまう気がするんですけどね?
 特に大手サイトならともかく、弱小サイトは死活問題だと思うんですけど、どうなんでしょう。

<魔獣戦線の場合>

 定員制で埋まっていたりしますが、相互リンクは、こちらからどしどしお願いしています。
 リンクしても、すぐに消滅してしまうサイトもあって寂しいですが。

6.管理人はつらいよ。

 管理人は大変です。ええ、マヂに。
 まあ、ただ連絡をとりあったり、キャラのデーターをUPするだけなら、まだしも。
 リプレイUPしたり、小説書いたり、宣伝したり、世界設定やルールなどを追加したり、真面目に内容を充実しようとすればするほど大変です。
 しかも、それ自体はTRPGの楽しみとは違う、ただ単なる地道な作業が多く、みんなが楽しくチャットしている最中に、更新作業を虚しくやっているという場合も多くあります。
 また、コミニケーションゲームであるため、プレイヤー同士の軋轢や、ルールについての質問相談など、雑務が多くなります。
 CGIなどである程度軽減はできますが、そうすると自由度が犠牲になりますし、難しいところです。
 おそらく、こういう作業を日常生活の合間にやっていて、ふと「俺何やっているんだろ?」と思ったとき、そのサイトが終わるのでは? と思います。

<魔獣戦線の場合>

 なんとか5年やっています。
 キャラシートのCGI化はしていませんが、これは僕がチェックしやすいようにです。 更新頻度もわりとあるほうで、各種ログや、小説なども公開しています。
 ということで、いっぱいいっぱいでやっています。

7.どんなサイトがお勧めか

 じゃあ、実際オンラインセッションに参加しようとする時、どんなサイトがいいのでしょうか?
 100%確実ではないですが、次の条件を満たしていればOKでしょう。

1:ルールブックをもっているもしくは、ルールの公開されているサイト
2:活動が頻繁であること
3:サイトがわかりやすい
4:参加規約がしっかりしている
5:長期間運営されている。

 1、2は当然でしょう。
 3については、管理者の意気込みと、新規参加者についての態度がよくわかります。ただし、メンバー数が多いだけでは、幽霊メンバーの存在で誤魔化されている可能性もありますので注意してください。
 4は、今までの運営の結果改良されていくものなので、オンラインセッションとしての出来がよくわかります。
 5は、管理人の意地や根性がわかります(笑)

 といっても、これらの条件は、サイトに入るときの最低基準だったりするんですよね。
 TRPGはコミニケーションゲーム
 その水(オンラインサークル)が合うのかどうかは、飲んで(PLAY)してみなくちゃわかりません。
 こればっかりはやってみないと……
 チャットログが公開されている場合は、それを確認するのも手ですね。……あんまりないですけど。

<魔獣戦線の場合>

1:○ オリジナルなのはルールがWebで公開できるためです。
2:○ 一生懸命頑張ってます。
3:△ いや、情報量多すぎなので。
4:○ 苦労してます
5:○ 5年間やっていますので。

8.最後に

 いろいろ書きましたが、なにか参考になったでしょうか?
 最後にうちのサイトを紹介します。
 よかったら、参考にしてください。

魔獣戦線

ジャンル:現代退魔アクション
システム:オリジナル
結成:1999年正月から(いやほんとに)
形式:IRCチャットを用いたオンラインセッション
人数:30人前後
活動頻度:
 オンラインセッション(2ヶ月に3回目標)
 なりきりチャット(週末、および祝日)
 ミニセッション(随時)
募集:春秋、定員<30名)±5人になる程度に募集
特徴:
 時間の流れが準リアルタイム
 レベルがない
 世界最強クラスの能力者を演じられる。
欠点:ひ・み・つ
URL:http://member.nifty.ne.jp/HISEKIDENSYOU/rpgindex.htm


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