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2004年10月号

オンラインセッションアンケート

特集: 単発記事
筆者: KITE

 オンラインセッション特集と言うことで、オンラインセッションに関するアンケートを募集、集計して見ました。数通しか来なかったら全文転用して誤魔化そうと思っていましたが、実際には20人近くの方から解答をいただけました。
 さすがにそれを全部載せるわけにもいかないので、私が目を通して感じた事を書く、また明らかに特徴的だった人の分を匿名(一部匿名にしてもバレバレの方もいます)で転載する形でまとめさせていただきました。
 編集の段階で私の主観が当然混じってるわけですが、そのあたりご了承願います。

1.あなたのTRPG歴は?

 この質問に対する解答は、ほぼ2通りにわかれました。

 1年未満と言う方と、10年以上(回答者の中で最長は19年でした)と言う方がそのほとんどです。2~3人だけ、5~6年と言う中間層もいました。
 D&DやT&Tと言った、今ではほとんど古典になっている様なゲームから遊んでいる世代、バブリーズあたりで文庫TRPGが盛り上がっていた時代からずっと遊んでいる人が10年選手層なのでしょうね。

 逆に1年未満の方は、ダブルクロスのリプレイや、新ソードワールドリプレイの影響で遊び始めたと言う人が大半でした。やはり、リプレイの持つ吸引力と言うのはあるようです。

 また、TRPGを知ったのは10年以上前だけれども、実際遊べるようになったのはここ数年と言う方もいました。TRPGは基本的に一人では遊べないゲームですので、そうした方もいるようです。

2.オンラインセッション歴は?

 こちらも大別して2つのケースにわけられるようでした。

「1.」で10年近くのTRPG歴があると回答した方のほとんどは3~7年と言った期間をオンラインセッションしているようでした。しかし、パソコン通信 時代から遊んでいる方もいれば、私のようにごく最近オンラインセッションを始めた人間もいるようで、やはり「遊びたいと思う時期に遊ぶ環境がなかった」た めにオンラインセッションを始めた人間が多かったように見られました。

「1.」の回答が1年未満だった方のほとんどは、TRPG歴=オンラインセッション歴でした。また、こうした方のほとんどは、オフラインでのセッションの経験はない、あるいは多くないようです。

 例外として一名の方だけが「TRPG暦と同じで、5年半になります。」と回答なされました。

3.TRPGnetを利用するようになったきっかけは?

 この回答は比較的散りました。ニフティから流れてきた、オンラインセッションってないかと思って検索したら一番上がTRPGnetだった、遊ぼうと思ったサイトがTRPGnet環境だった、等が多かったでしょうか。

 あえて区分するなら
「TRPGnetと言うサイトを見つけたことから入ったグループ」(公衆系チャンネルに出入りしている方が多かったです)
「見つけたオンラインセッションサイトがTRPGnetを利用していたので、そこで初めてTRPGnetを知ったグループ」(逆に公衆系に出入りしていない方が多い)と言う感じになります。

 私なんかがわりと例外で、こう言う事をしている人達がいるのは4年くらい前から知っていたけれども、利用を始めたのがここ1年以内です。他の人は回答を見る限りでは、TRPGnetを知った時期と利用を開始した時期にそれほど極端なずれはなかったような気がします。

 また一人だけ、極端なくらいに例外だった人がいるので、その方の回答のみ全文転載させていただきます。
「自分で作ったから。TRPG.NETの元になったサービスは、元々は自分用のリンク集をWebに公開しつつ掲示板を用意したのがきっかけでした。百科事典他の資料はパソコン通信時代の電子雑誌用の記事です。IRCサーバは語り部で使うためだったような気もするけどもう覚えていないなあ。」
 この回答をみた後、「あなたはsfさんを知っていますか?」と言う質問作っておけば良かったと思いました。

4.オンラインセッションとオフラインセッションをする機会、どちらが豊富ですか?

 sfさんがメーリングリストで流した時の回答にはオフラインセッションの機会の方が豊富と言う回答がありましたが、それ以外は完全に「圧倒的にオンラインセッションが多い」と言う回答でした。考えてみればオンラインセッションサイトを中心に回答を集めたので、この質問、あんまり意味がなかったんではないだろうか。

 強いて言えば「オンラインセッションでしか遊んでいない層」と「オフラインセッションでも遊んでいる層」がいる事がわかったのがこの質問の意義でした。

 なお、転勤や引越しが原因で、オフラインのプレイ環境を失って、オンラインでしか遊べないと言う声もありました。私もこのタイプですね。

5.キャンペーンシナリオに参加したことはありますか?

 ほとんどの方がYESと言う回答でした。また、一部の経験がない方も「やってみたい」と言っています。

 キャンペーンと言うか、面子が固定の環境で遊ぶのがTRPGの元来のスタイルですから、これは当たり前の回答かもしれません。ただ、1年未満、オンラインセッションのみの方でも積極的にキャンペーンを行っているところが少々意外でした。やはり、アクティブに遊んでいる人は必然的にここに辿り着くのかもしれません。

6.GMの経験はありますか? まだであればやってみたいと思いますか?

 この質問には、全員が「ある」と回答しました。

 やはりGMはTRPGの最大の魅力の一つと言うことでしょうか? 正直な話、昔散々オフでやったからと言う理由で、現在オンではほぼPL専業になっている私が、回答した人間の中で、ここ数年、一番GMをしていないのではないかなと思います。

 なかにはほとんどGMというひともおりましたし、「目指せR&R公認GM」と言う気合の入った方や、「4桁くらい」と言う猛者もいました。
 ただ、やはりPLとしての参加も魅力であるようで、「今はPLをやっているのが一番楽しい」と言う声も聞こえました。楽しみ方も人それぞれなんでしょうね。

7.オンラインセッションのメリットとは?

 大きくわけて、3種類の回答がありました。

 一番めだったのは「自宅から出ることなく参加できる事、時間調整が割と簡単な事だと思います」と言った時間や空間の制限を受けずに参加できると言うこと。回答をいただいた方ではありませんが、私のオンラインセッションの仲間にドイツやアメリカ在住の方もいますので、これはやはり大きなメリットでしょうね。

「ログが残る」と言う点を回答なさる方もたくさんいました。単にリプレイを製作する手間が要らないと言う声から、「文章で残るので事後に確認できる。そのため経緯や追加設定を回収して次回のセッションに生かしやすい」と言った、幅広い意味でログを役立てられると意見もありました。
 私自身も、メモを取るのがオフラインセッションよりも多少楽だなと思います。このあたりが一番の違いかもしれません。

 もう一つの意見は「ロールプレイがしやすい」と言う声でした。面白い傾向がひとつあります。私はこのアンケートを回答くださった方の性別は全員把握しているのですが、口答えた方は全員男性でした。

8.オンラインセッションのデメリットとは?

 まず、ほとんどの方が気にしていたのは、時間の問題でした。「オフの3倍近く時間がかかる」と言う意見が大半を締めていました。また「小道具の類が使えない」というのも大きな意見でした。これらから「複雑なシナリオをしにくい」と言う結論に繋がっているようです。

 戦闘も大規模なものや、厳密に位置を把握する物がしにくいと言った不便さを感じている方が多いようです。「その場でちょっと図を書いて説明、などを気軽にできないこと。」と言う声もあります。このあたりは同じ空間にいない故のデメリットですね。

 ちょっと面白かったのが、「自分の手でサイコロが振れないのが悲しい」と言う声。確かに、ゴロゴロとダイスを転がすのは、TRPG最大の楽しみでもありますから、わかります。

9.オフラインセッションのメリットとは?

 当たり前と言ったらそれまでなのですが、ほぼ「8.」の裏返しでした。
 つまり「時間の問題がない」と、「道具を使える」「状況の把握を用意に行える」と言う意見が大部分です。オフラインでストレスになっている部分が、そのまま転化しているようです。もちろん「実体のあるサイコロを振ることができるという点」と言う声も。

 その他にも「よく知った相手と騒げる、他者の行動に口だしやツッコミが気がねなくできる。」と言う、身近な友人達でプレイをする事を前提にした声も多かったです。「終わったらどっかいけるし(笑)」なんて回答は、その最たるものですね。

 あとは「演技がしやすい」「RPしやすい」と言う意見もありました。
 個人的にこのアンケートで一番面白かったところです。この回答をくださったのは、「オンラインセッションの方がRPしやすい」と答えたのが男性ばかりだったのと逆、女性だけでした。
 このあたり、RPと言うものの認識に大きな違いでもあるんでしょうか。

10.オフラインセッションのデメリットとは?

 やはり「7.」で皆さんが感じている事の逆、時間や空間の問題が最大のデメリットとなっているようです。交通費がかかる、会館などの場所を借りる必要があり時間や経費的な拘束が生じるなど、さまざまな問題を抱えている人が多いようです。コンベンションなどでしか遊べないと言う声もあります。

 人間関係のこじれが怖いと言うシビアな意見もありました。「気のあわない相手と遊ぶのが大変」と言う声もあり、良くも悪くもTRPGは対人ゲームなのだと言う側面を見る事ができます。

 オンラインセッションから入った方からは「ダイスの処理が大変」と言う声がありました。それはマクロに慣れすぎじゃないかなとも思いましたが、システムによってはクリティカルの処理やダメージの加算がとんでもなく面倒なので、わからなくもないですね。

 また「台詞を叫ぶのが恥ずかしい」と言うコメントもありました。別に台詞を叫ばなく手もTRPGは遊べるんですが、まあ、それはそうだなあ。実際に他の方からもRPに照れが残ってしまう(特に異性キャラを演じる時)と言う意見はありましたしね。

11.これからもオンラインセッションを続けて行かれますか?

 そのモチベーションを含めて教えてください。

 やっぱりみんな続ける気みたいです。
「オフラインでやる機会が少ないから」「モチベーションは良くわかんなくなっている」と言うやや消極的な姿勢も目立ちましたが、やはり気楽に、色んな人と遊べると言うメリットは大きいのでしょうね。

 アクティブな方ではシリーズものを開始したのでどんどんやりたいと言う方や、自分でサイトを運営している方などの声が目立ちました。やはりそう言う強力なモチベーションがある方は、ぐいぐいと周囲を引っ張っているようです。

 ただ、わりとほのぼのしている回答が多い質問項目だったことを、最後に付け加えておきましょう。
「楽しいから止まらない♪子供の世話をしつつ、これからも主婦ゲーマーとして頑張ることでしょう…多分。」
「もちろん続けます。こんな楽しい事はないですから。ハラハラドキドキの出会いに感謝ですヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ」

 やっぱりみんな、TRPGが好きだから、ここにいるんだよなあ。と、納得させられました。


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