2003年10月号

オンラインセッションの限界

特集: 単発記事
筆者: ニセあみ

 オンラインだと、情報の交換が、どうしてもオフセッションにかなり劣ってしまう。一部の人々なら会話と同等以上のペースで文章を送信できるが、それさえも会話の文字だけでのことである。

 セッション内容が単調になりがちで、世界観にも深みを付け難い。熱心なプレイメンバーの数名がたくさんの追加設定などを提供しているのはよく見かけるが、印刷物の紙面や写真と違って、どうしても簡素なものになってしまう。文字主体、という環境がきつい。
 たくさんのプレイメイトとコミニケーションを持てるが、趣味嗜好は千差万別で、深い交流で全員の趣味嗜好をお互いに把握できていても、全員が妥協して楽しむためには、どうしてもプレイの幅を縮小せざるを得なくなる。どうしても、妥協点が生まれてくる。それが重なることが、相互理解という無形のツールのひとつだが。
 技術的に、文字だけで進める、精々BGMをつけておく、ぐらいしかできない。

 IT革命当初は人員不足の解決として重宝された代用手段だったが、チャットセッションはトータルで20回もすれば飽きる。TRPGは、もとよりコンピューターを一切介さない、補助的に電卓が使われる程度のものなので、チャットの向こうに居るのは人ばかりで。主催するGMもまた人だから、といってもTRPG、CRPGの両方の長所をかなり犠牲にして選ばれた遊び方、と言わざるを得ない。

 大好きなTRPGをオンラインセッションで実践できるだけで良い、以上のことはオンラインセッションには不可能。最初から、無理だったのかもしれない。
 先にも述べたとおり、TRPGは電子ゲームではない。
 TRPGの情報や想いの交換を専門に行えるチャットや掲示板、それの補助としてのキャラクタUPコーナー、などを備えた趣味ページ。其処に、補助的にオンラインセッションのチャットを設けるのが、分相応だという結論になったが、皆さんはいかがお思いだろうか。

 また、メイルゲームと比べても廉価なフレックスタイム・オンラインセッションとしてはチャットではなくBBSの使用が挙げられる。


 高度で先進的な通信環境の発達と普及による、地理的時間的隔たりを和らげる、苦肉の代用手段としてはオンラインセッションは素晴らしかった。
 それは、通常の情報交換の範囲のことなので、普通にIT革命の恩恵の一つといえる。だが、それ以上は無理だった。これからは、Cゲームなどの各業界の統合や発展も加速度的に進行していく。電源の要らない部類のゲームとしてさえ、オンラインセッション以前に先ずメディアミックスも普及もしていない。
 電磁的な機械を媒介にするのは、無理が大きい。

 リピーターだのヘビーユーザーだのも、発売直後だけの俄か(ライト)ユーザーさえも、実体験から言うと非常に少ない。

 総じて、貴重な情報集積の機会として、現在のオンラインセッションを開催できる程の構造は、これからも残っていって欲しいと思う。
 国内には多くのオンラインセッションサイトが有ります。皆さんの、意見を求めます。


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