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英雄王の伝説 語り部:フェイト 『たま・もの 2』


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――今回と同じように、『卵』から『キャロのような獣』が生まれたことが過去にもあったそうです。
これは今から400年前、魔動機文明時代の話、

英雄王――ラウルース・エル=アルカドゥラ――の伝説です。

当時、『獣』の存在を知った人たちの間では、剣を『ゼロの剣』、生まれた獣を『剣の化身』と呼ばれていたそうです。
「剣の化身」は世界を変えるほどの力を持っていたといいます。
このことから、『ゼロの剣』は、始まりの剣に並ぶ……もしくは、それを凌駕する力をもつものではないかと考えられています。
当時、『剣の化身』を手にした…といいますか、連れていたのは、ラウルース・エル=アルカドゥラという”青年”と、その仲間達。
ラウルースは、「剣の化身」の力を借りて、蛮族の手から霧の街を奪還したと言われています。

ラウルースは霧の街を奪還した後、そこの王として、長く善政をしいたそうです。
善政は世代を超えて受け継がれ、大破局を迎えるまで――四代もの長い間、良い街だったそうです、霧の街は。

世に伝わる『ラウルース伝説』は、ここまで……なんですが。

しかしですね。実は、霧の街の奪還後、困ったことが起きていました。
その力の程を知った各国が「剣の化身」を欲した結果、戦争が起ころうとしていたんです。
――はい、史実を見ればわかるとおり、そんな記録は残っていません。「起きる寸前で回避された」ことになります。
詳しくは解りませんが、宣戦布告がなされようという、その矢先。
「剣の化身」は彼を孵した者達の一部と共に姿を消した、と云われています。
ラウルース王はその後も霧の街を納めたらしいですから――。他の仲間の誰かが、と言うことでしょう。

あ、全員の名まではしっかりと記録には残っていませんが、
「ラウルース王には、他に5人の仲間がいた」と伝わっています。

で――剣の化身自体は、ラウルースの仲間とともに姿を消したのですが。
そもそもラウルースが『剣の化身』を手にした場所そのものは、まだ残ったままでした。
というより、争いが起こるまでは、『ゼロの剣』を調べるための研究施設として使われていたんです。
それで、ラウルース王はこれを厳重に封印することに決めました。
扉に封印を施し、その鍵の役目を、当時開発中であったルーンフォークに課したそうです。
当時、蛮族に対抗するため「守りの剣」のレプリカを生み出そうという研究開発が同時にすすめられていました。

私――フェイトは、その一体です。

                               ――記:『たま・もの2』2部1話――


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参考資料:悪神と七世の巡り(通称・ナナセ)
      ※参照先は「警報明記する程度のボーイズラブ展開」を含みます。
        自己責任の元ご参照ください。


「たま・もの 2」第1部・備忘録(1話~3話)についてはこちらをどうぞ
  >>胡蝶の夢 – たま・もの

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